コラム・特集

4.10 サービス業における生産性

IEハンドブック
第1部 インダストリアル・エンジニアリング機能
第4章 生産性論究

4.10 サービス業における生産性

農業における生産性向上は,農業就業人口比率が,100年前の50%から,1980年の3.4%へと劇的に減少したと同様に,工業の生産性向上によって,その仕事はそれらの仕事に必要とされる所要の作業力の比率を減少させてきている。今世紀末以前に,工業で必要とされる就業者数は,労働力の20%にまで減少してきている。このことは,労働力の75%以上が保健医療,政府,教育,小売業,保守サービス,レクリエーション等のサービス業に従事しているということを意味している。このことは,人々がどの分野で就業しているのかということであり,そしてこのことは,緊急に生産性を向上させる必要が残されているのは,どの分野であるかを示している現在では二百万人以上の人たちが,飲食業に従事しており,そして,この二百万人という数字は,全鉄鋼業の就業人口の4倍である。生産性向上の仕事は,農業を始めとする産業で取り組まれたようには,サービス業では取り組まれてきてはいない。しかし,いくつかの同一技法が利用可能であり,そして,その技法は,同一種類の生産性向上を連続して達成することを可能にしてくれるはずである。

病院で働く人達のことを考察してみよう。彼らは,工場や工業の事務室で働いているのと同様の種類の仕事をしている。彼らは,記録を保管したり,物材を運搬したり,機械を運転したり,腰掛けて作業を遂行したりすること等をしている。工業の場合,非常にうまくいった同様の技法が,サービス業においても確実に試行できるサー ビス業における成果は,測定することは困難であるかも知れぬが,少 なくとも前年度分については,もし絶対的な標準値を利用するのでなければ測定できる研究された手法は,サービス業へ適用され得るし,そして,より多額の資本が,確実に作業を遂行するのを援助するための装置という形で,投資されることになる。

工業におけるホワイトカラー就業者は,多様な「サー ビス」に従事している.IBM社は,ホワイトカラー分野における生産性を測定し向上させるための優れたシステムを保有している IBM社 は,全サービス部門またはホワイトカラー作業を,約130の相異なる論理要素ヘ分割している。これらの各要素については,IBM社は,論理基礎によって世論調査をした。例えば,IBM社は,給与控除従業員の数を基礎にして秘書人数を測定した。

同社は,利用されている事務室の平方フィートの床面積を基礎にした用務員数を測定した。これらの比率は,130の要素のそれぞれについて,各年度ごとに作図された。同社の30個所以上の各事業所に対して,その図面の上に作図している。これらの図面が全社に配布されるとき, 各事業所の管理者は,自分たちが各要素であり,そして 最高位部門と競争すべく動機付けられるよりも,どの部門がもっとも優秀な業績をあげているのかを知ることができるのである。各管理者は,また,本年度と較べて前年度の自分たち自身の測定値を理解したり,自分たち自身のホワイトカラーまたはサービス業務の各要素が向上しているような,その種の進歩を理解することができる。このシステムは, IBM社で重要と見なされるホワイトカラーの年次別生産性向上を奨励してきたのである。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

 

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