コラム・特集

4.5 合衆国の生産性対それ以外の国の生産性

IEハンドブック
第1部 インダストリアル・エンジニアリング機能
第4章 生産性論究

4.5 合衆国の生産性対それ以外の国の生産性

数十年間にわたって合衆国における生産性は,民間経済活動については年率3.2%で向上した。図表1.4.2は1947年より1967年までの,このような生産性向上率を示している。1967年以降,生産性向上率は,何期間かにわたって,ほぼ年率15%を下回って,生産性は現実的には下降してきている。近年における,この低い生産性成長率は,合衆国経済に対して,強いおどしをかけいる。そのことが ,インフレーション問題を悪化させることで利益低下させてきたので,研究開発や資本投資へ少ししか資金が回らなくなり,その結果,合衆国の産業は,世界市場において競争力を低下させてきた。

数年前 ,国立生産性およびOWLセンター(the National Center for Productivity and Quality of Marking Life)は会議を開催し,この分野での最高の知識をもつ専門家によって,生産性の将来への趨勢について検討がなされた。この会議の結論としては,1980年代を通じて,合衆国における生産性は,年率約15または2%でもって向上するとするものであった。西 ドイツ,フランス,およびいく つかの欧州諸国の生産性は,1980 年代を通じて年率約4%で向上するものとし,そして日本の生産性は,年率約6%で向上するも のとするということが予測された。これらの予測値は的中してきているので,現在の世界経済での合衆国の地位は,多数の他の諸国に対し て相対的に劣位になっている。現在予測される生産性成長率では,4つの国際的な競争相手国が,図表1.4.3に示されるように,1990年 までかそれ以前に , 雇用者当り生産において合衆国を追い抜くことになる。

拡張する世界市場において,競争力をもった立場を維 持する上でのアメリカ産業界の能力は ,日 本,西ドイツ,および合衆国が貿易をしているその他の多数の諸国における,急速な製造業生産性の増加によって,曇空となってきている。合衆国における生産性の平均水準は,いまだに,その他の産業国家群よりも高く,図表1.4.3に示されている通りであるが,製造業における生産性成長は遅れをとったままである。合衆国における生産性の優位性は狭められつつある。ラジオ,テレビジョン,および小型乗用車のような,いくつかの基幹産業については , 日本によって駆逐されてしまった。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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