コラム・特集

2.7 インダストリアル・エンジエアリング部門の管理者の選定

IEハンドブック
第1部 インダストリアル・エンジニアリング機能
第2章 組織と管理

2.7 インダストリアル・エンジエアリング部門の管理者の選定

インダストリアル・エンジニアリング機能の管理者を選定するために,一番重要な資質を探さなければならない。インダストリアル・エンジニアリングの管理者は,彼らと関連する他の同レベルの集団の管理者に対して与えられている選定基準と同様な基準を適用されるべきである問題となる点は,インダストリアル・エンジニアリングのスタッフ的技術能力の将来性に限らず,ここで重要なことは,ライン/スタッフ関係に対する理解である。

どこの大学からでもよいが,一般に認められた専門を専攻し,インダストリアル・エンジニアリングの学位を受けた管理者は,彼らが責任を遂行するために必要な技術的知識に関して,正しく評価を受けるべきである。色々な技術的訓練,そして管理工学の研修や経験による色々な資格は,インダストリアル・エンジニアリング組織の管理者としての立派な基盤になり得ることが,多数証明されている。インダストリアル・エンジニアリングや管理工学の学位を持つ人々は,多くの企業や研究機関の中におけるインダストリアル・エンジニアリング組織において,管理職昇進の理想的な候補者となるべきである。

管理者を選定するに当たっては,インダストリアル・エンジニアリングのバックグラウンドの外に,コンピュータ・サイエンスの経験や研修の有無を考慮するべきであるオフィス,研究所,工場などにおけるコンピュータ化されたオペレーションの普及は,仕事の方法を考える場合に新しいむずかしさ,複雑さをもたらした。インダストリアル・エンジニアリングの管理者は,技術的バックグラウンドを持っている製造部長より高い地位にあってはならない。ライン/スタッフ双方において,高度に期待され熟練した実地の経験と技術研修のコンビネーションは,将来トップ。マネジメントの一員となるための貴重な財産となるべきである。

前にも述べたごとく,スタッフの管理者はラインの管理者と同様に,技術的にも専門的にも熟達しているべきである。仕事の分野に関係なくすべての管理者に対して,同じ研修やマネジメント・デベロップメントの機会が与えられるべきである。スタッフの管理者が,同僚のラインの管理者と共に研修や知識の吸収を行う機会を持たなければ,相互信頼や尊敬の念をお互に持つことはできない。

インダストリアル・エンジニアリングの管理者になるべく選ばれた人たちの経験や,学会や大学の工学部が主催する研修会やセミナーを通して,マネジメントの効果をかなり高めることができる。自分たちの組織を管理するマネジメント能力向上のための多数の研修コースは,最も小さい組織にとっても非常に効果がある。さらに,インダストリアル・エンジニアリング学会誌の論文,簡単に手に入るテキスト,近くの技術系図書館などで,これらの豊富な情報は手に入れることができる。ただし,研修コースや技術資料は,良い管理者を養成する助けにはなるかもしれないが,それ自身によって良き管理者を作ることは できないということを付け加えておく。ある企業の要 望に合致したインダストリアル・エンジニアリング管理者の選定に当たっては,その他の組織の管理者の選定に際して用いられると同じ選定方法を適用しなければならない。スタッフ部門が三流の管理者の安住の場所であってはならない。

インダストリアル・エンジニアリング管理者は,補佐役として技術的に高い能力を持った者の中から選ばれたスーパーバイザーを持たねばならない。一般にスーパー バイザーは,インダストリアル・エンジニアリング組織の中の専門的にも技術的にも優れた順位によって選ばれる。これは部内の最も優秀な技術者にとって最も自然な昇進の道である。しかしながら一番可能性のあるリーダーを得るためには,会社の内外を問わず外部から人材をとる必要があるだろう。

良きスーパーバイザーは生まれてくるだろうが,リーダーとして育成するためには,どのインダストリアル・エンジニアリングの管理者も,良く考慮された教育計画を利用しなければならない。可能性を持ったリーダーの能力は,一刻も早く見出されかつ強化されなければならない。比較的小規模の企業では,拡大していく仕事の範囲に応えるため,優秀な技術者を育てる必要があり,そのためにコンサルタントなど外部の企画による教育プログラムを利用することを望んでいる。大規模な企業ではいろいろな教育用材料を用いることができる。インダストリアル・エンジニアリング管理者がまず関心を持つべきことは,リーダーが育っていくことが可能な,層の厚い階層を作り出すことである。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は、多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則は、インダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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