コラム・特集

3.11 アルゴリズムの使用法

IEハンドブック
第14部 インダストリアル・エンジニアリングの最適化

第3章 非線形最適化

3.11 アルゴリズムの使用法

線形モデルと非線形モデルとの,ある重要な違いを強調せねばならない.LPの実際的なモデルであるネットワーク・フロー問題は,数千もの変数と二,三千の制約式を含む非常に大きな規模のものとなる。線形モデルを構成するのに必要なデータは,目 的関数と制約条件式での各変数の係数と右辺の定数だけである。実際の問題において,これらを(少なくとも 近似的に)得ることは割合に易しいことである。一方で非線形モデルにおいては, 変数は目的関数,制約条件式の中のいくつかの非線形項の中に現われてくる。各項の関数の形が決められなければならないし,パラメータ(14.3.3節に述べたような ,指数,係数など)が あれば,それも見積もらなければなら ない。このようなわけで,非線形モデルを構成するのは難しくなる傾向にあるし,実際への応用の中で作られた多くの非線形プログラムは,この理由により,ほんの少し の変数しかもっていない。同様の現象が,アルゴリズムを効率的にする場合にも持ち込まれてくる。シンプレックス・アルゴリズムで解く大規模線形計画問題といえば,何千もの変数や制約式が含まれているものを意味するのに対して,ほんの数百の変数を含む非線形問題でも,非線形計画アルゴリズムにとっては大規模問題と考えられている。

実際の応用面では関数が非常に簡単でない限り,凸性を調べるのはたいへんに難し い傾向にある.多くの実際 的応用もまた非凸モデルとなっている。最初に述べたように,このような問題において,最大限に望めることは, 近似的な局所最小を得ることにすぎない。通常は,非線形計画アルゴリズムによって得られる最終解は,アルゴ リズムが始まった初期解に依存している。今日使用されている大部分のアルゴリズムにおいては,最適解のかなり近くに初期解を選んでおけば,良い結果が期待できる。多くの応用の中では,モデル作成者がその問題に対してもっている実際的な洞察力を用いて,このことを実行している。また,最適解における変数のある限界が推測できれば,これらの限界を制約として導入することにより,アルゴリズムの収束速度を改善することができる。最適点がありそうな領域の中にとった異なった初期点から出 発して,アルゴリズムを何回も実行し,最小点への十分な近似として得られたすべての解の中で,最良のものをとることは常に有効である。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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