コラム・特集

3.1 この章の展望

IEハンドブック
第14部 インダストリアル・エンジニアリングの最適化

第3章 非線形最適化

3.1 この章の展望

 

非線形最適化問題では,決定変数に関して明確に定義された制約条件のもとで,単一の目的関数を最適化(最大化あるいは最小化)する問題を取り扱う。目的関数, 制約条件式とも,すべて決定変数のなめらかな実数値関数であり,そのうち少なくとも1つの式は非線形である (もしすべてが線形ならば,問題は142章で論じた線形 計画法となる)。決定変数はすべて連続な変数である(言い換えれば,許容領域内での変動の範囲ではいかなる値でもとることができる)と仮定する。決定変数の一部分でもこの条件が破られれば(たとえば決定変数が銀行員の人数であるとすれば,整数値だけしか取り得ない ), 問題は144章で論じられている離散形最適化問題となる。

現実の問題の中では,いくつかの目的関数を同時に最適化することが必要になる場合がある。このようなモデルにおいては,ある目的関数での最適解が,他の目的関数に関しては良い解ではない場合が起こる。このときに, どれが問題全体に対する最適解であるかを明らかにするのは難しい。このようなモデルに対しては,日標計画法 , パレートあるいはベクトル最適化基準,あるいは複数個の目的関数を,適当な重みによって組み合わせた,単一の効用関数などの実際的な方法による解決がはかられている。この種の多目的計画問題はここでは論じない。

時には動的計画問題を解くことが必要になるかも知れない。そこでは微分方程式を含む制約条件のもとで,決定変数の値を時間パラメータの関数として,ある時間帯にわたって評価しなければならない。このような動的最適化問題は,制御理論や変分法の分野に属するものである。時間を区間化することにより,この種の動的問題を, 適当な静的問題に変換して近似的に解くことができる。 この章では静的問題だけを考えることにする。

この章ではベクトルx=(χ l,… …… ・ ,xn)Tは,最適化されるべき決定変数の列ベクトルを表わす。xはn次 元空間における決定点と考えることができ,添字jのついたxjは決定点xのj軸の座標である。複数個の特定の決定点を示さねばならぬ場合が起こる。そのときにはx1, x2,.… … ,xr… のように上つきの添字で表わす。ここでxr=(x i,・ …… ,x1)Tはこの点列上でのr番目の点である。

この章では指数も使われている。指数は普通太文字で書かれ,通常の上つき添字とは区別される。たとえばαが実数ならば,α^2はαの平方を表わし,α^rはαのr乗を表わす。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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