コラム・特集

2.3 線形モデルの基本仮定

IEハンドブック
第14部 インダストリアル・エンジニアリングの最適化

第2章 線形計画法

2.3 線形モデルの基本仮定

LP手法を用いてシステムをモデル化するには,システムをいくつかの基本的機能,すなわち「活動」(activity)に分けることが必要である。例題14.2.1には3つの活動があった。

製品1を1単位製造すること,
製品2を1単位製造すること,
製品3を1単位製造すること, である。

決定変数は,これら3つの活動がどのような水準で実行されるのかを決めている。もちろんLPモデル の目的は,最適な活動レベルを決定することである。活動レベルを変えるには,おのおのの活動への入力量と出力量を変えなければならない。これらの入出力量は「品目」(item)とよばれる。例題14.2.1では入力量は労働量,資材,管理であり,出力量はドルで求めた利益であった。

LPモデルの定式化にあたっては,常に2つの基本仮定がある。

1.比例性 これは活動への品目の入出力量が,活動レベルに直接比例することを仮定するものである。たとえば製品1を1単位作るのに,労働量1時間, 資材10ポンド,管理量2時間が必要であるとすれば, 製品1をx個作るには,労働量x時間,資材10xポンド,管理2x時間が必要となる。同様に,製品1の販売による単位利益は,販売量に関係なく常に10ドルである。

2.加法性 これは,ある品目の総使用量は,個々の活動がそれぞれのレベルで必要とする品目の使用量の和に等しいという仮定である。例題14.2.1では, 全体の必要資材は,個々の製品に使用される資材の和に等しい。

以上の入出力によるモデル作成や,LPの仮定に関して,もっと詳しい議論を望む読者はDanzigを参照されたい。比例性や加法性の仮定は,LP問題での制約式が一次の等式や不等式で記述でき,目的関数も決定変数の一次関数であることを意味する。現実の問題では,このLPの仮定が成り立たないこともしばしば起こる。その場合でも,定式化に工夫をしたり,良い近似式を用いることによってLPを適用することができる。この種の問題については次節で取り上げよう。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

関連記事一覧

2019ものづくり公開セミナーガイド

B2Bデジタルマーケティングセミナー

ものづくり人材育成ソリューション

マーケティング分野オンラインセミナー