コラム・特集

1.7 感度分析

IEハンドブック
第14部 インダストリアル・エンジニアリングの最適化

第1章 最適化:概観

1.7 感度分析

感度分析とは,1個または複数個の入カパラメータや係数が変化した場合の,モデルの結果の変化を検討することである。感度分析の重要性はいうまでもない最適化研究の結果の信頼度を高めるために,モデル検証の一部としてもしばしば利用されている。最適化研究は,すべてのパラメータや係数の詳細な感度分析によってはじめて完結する。多くの場合,このような分析は最適解自身よりももっと価値があり,研究中のシステムに,より多くの洞察を与えてくれるものである。詳細な感度分析を実施する理由はいろいろあるが,

1.データのいくつかを変えることができるならば(ある意味で制御可能なデータである場合),これらの変更が最適解に及ぼす効果を研究することができる。与えられたパラメータを僅かに変えるだけで,最適値にかなり大幅の望ましい変化を与えることができるのならば,そのような変更は実施する価値が十分にあるといえる。たとえば,労働力がシステムの略路であるときには,残業を実施すれば,残業コストの追加に十分見合った収益の増加をもたらすことは 明らかである。

2.感度分析により,研究中のシステムヘの追加や修正についての貴重な情報が与えられ,それによリシステム全体の運営を改善することができる。たとえば,生産能力を増加するために,新しい機械へ投資することの是非を解析することができる。

3.感度分析はまた,システムの制御できないパラメータについての変動の効果を明かにすることができる。このパラメータには,過去の情報から統計的手法によって推測された定数が含まれている制御できないパラメータの実例としては,原材料のコスト,その利用可能量,エネルギー価格,製品への需要, 装置の故障などがある。これらのパラメータの推定値がそれほど正確ではない場合も多い。もし感度分析の結果,モデルの結果が,これらのパラメータに対して非常に敏感であることが分かったならば,もっと良好な推定値を得るために金をかける価値があることになる 逆に,モデルの結果が,パラメータのかなりの変動に対しても比較的鈍感であるなら,これらのパラメータの精度についてあまり気を揉む必要はない。

以上の点から,モデルのパラメータに関する詳細な感度分析は,管理者に対してモデルの結果への信頼感を与え,それを受け入れ易くするので,最適化研究に是非とも加えるべき部分である。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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