コラム・特集

9.5 経営工学における応用と制御モデルの選択

IEハンドブック
第13部 IE技術者の定量的方法論

第9章 制御モデル

9.5 経営工学における応用と制御モデルの選択

この節の目的は,経営工学的機能における制御モデルのいくつかの代表的応用例を述べることである。制御は,常にそれが大きい,小さい,または単純 ,複雑には関係なく,制御される。1つのシステムが存在することを意味しているのを読者はすでに理解しているだろう。経営工学者が,伝統的に制御モデルによって仕事を行ってきた。3つの重要なシステム領域は,生産システム,人間―機械システム ,および情報システムである。ここでは生産システムだけについて述べる。

生産システムの制御モデル
生産システムは,おそらく制御モデルの応用の最も豊富な領域であろう。それらは独立した機械,またはプロセスを含む。ただし,これらにおいて正確な数学モデルが定式化できる。また生産システムは,生産―在庫管理 または品質管理のように,正確なモデリングにそれほど従わない多くの制御活動を必要としている。ここでは, 制御系を評価し 計画するために,オペレーションズ・リサーチやシミュレーション技術が用いられている。

NC機械の制御モデル
典型的な例は図表13.9.11に説明されているうNC機械の制御モデルである。1つの機械の軸に対するこのモデルにおいて,G1は位置変換の伝達関数(ゲイン)である速度変換器はG1・α ・sという伝達関数によって設計されている。ただしαは変換器の制御パラメータ(制動係数および固有周波数)を示し, sはラプラス変換変数である入力のデジタル信号らはαとしてゲインmをもって増幅器に入力され,それはゲインG2によってサーボモーターを制御する。このモーターはトルクを生じ,それは指定された速度で指定された位置変位まで駆動機構を回転さす。ある簡単化された仮定(例えば,この例における入力はステップ関数である)のもとで,ラプラス変換を用いて,トルク出力に対する制御モデルは次のように定式化されうる。

θo=m[G2(ei-eo) / s^2J+G1∂s]

上式において J はシステムの慣性である。モデルを解析することによって,最良の応答を生じる制御パラメータの特定の値を同定すること ができる。例えば,α の値はシステムの制動を決定する。すなわち,変位の指令を

受けた後,機械が指定された位置でどれぐらい早く安定になるかを決定する。図表13.9.11におけるモデルは ,厳密に閉ループ,すなわちフィードバック法に基づいているが,図表13.9.12は NCに対する適応制御モデルを示している。図表13.9.4で説明されているように,適応制御モデルは2次的ループに用いられ,それは主ループによって得られるもの以上のフィードバック情報を得るこの例においては, 主ループは図表13.9.11におけるように,位置と速度および機械のオペレーションにおける修正のために,与えられる切断力についてのフィードバックを含んでいる。

全プラントのモデルと企業制御系
計算機に基づくシステムによるか,または通常の手段によって達成されているかにかかわらず,大規模で近代的企業プラントの自動制御は,プロセス動特性の非常に広い範囲のもとで操業されている,多数の異なった変数の自動的モニターに対する大規模なシステムを含んでいる。それはプラント変数値を要求されている制御修正命令に変換するための,一般に多数の複雑な非線形関係を明らかにすることを要求している。最後に,これらの制御修正は,広く分散している種々のタイプの作動機構に送られなければならない。これは生産プロセスの性質のために,多量のエネルギーを消費する傾向がしばしばある。

これに加えて,最低の実質上の生産コストで,高いプラント生産性を維持しながら,企業プラントは新しい消費者の注文に合うように,生産計画を調整する断続的な問題に直面している。この問題は,多くの場合,現在では,プラント係員によって適当に判断された仕掛品と完成品の在庫をもって,計算機援助があるけれども人間による製品制御情報システムによって処理されている。

全体のプラント 制御の正確な数学的制御モデルは ,引用されている状況から考えて非実用的である。しかし,エネルギー節約,および生産性に対する全体の要求として, ゲインはもっと複雑に,また次第にもっと精巧なものになり,有能な制御システムが必要になる。この目的を達成するために,制御システムは大規模なデジタル計算機に基づくシステムヘ向かっている。このようなシステムの適正な設計と実行は,注意深いモデリングと解析とを必要とする。必要な制御応答を得るために,全体の制御システムは次のような性能をもたねばならない。

1.最大のエネルギー利用効率,または最大の生産効率で操業していることを保証するために,プラントのおのおののオペレーティング・ユニットのきっちりした制御操業は項目2および3において述べられている。調整と計画機能によって,生産レベルの組みに基づいている。この制御は,それ自身のユニットにおいて生じるどんな急変に対しても直接応答する。

2.在庫場所間で相互に作用しているすべてのユニットの生産レ ベルを決定し設定する調整システムこのシステムはどんなユニットも一般の領域レベルを越えないし,またそれゆえ過剰のエネルギー ,または過剰の原材料を使用しないことを保証している。制御のもとにあるユニットのどれかにおける緊急事態,または混乱状態に対して,これらのユニットと関係したユニットにおける出力を,閉じるか,または,組織的に減少さすことによってそれは応答する。

3.コスト関数として表現されている時間,エネルギ ー,原材料の最適な組み合わせで要求されている製品を生産するために,消費者の注文または経営決定から,プラントに対する計画機能を実行することができるシステム

これらの要求のおのおのの権限の広げられている範囲のために,これらは効果的に重ねられた制御構造,すなわち他のものの上にあるものの独特な異なったレベルになる。また上記の3つの制御レベル間にやりとりされねばならない多量の情報の観点から,図表13.9.6に示したように,階層的方法で組織された分散的計算能力のあるものが必要である。このモデルの特定の遂行は,製鉄所全体の制御に対して図表13.9.13および図表13.9.14に示されている。

生産制御の他のモデル
オペレーションズ・リサーチ技術によって計算機制御された,生産部門の制御モデルの研究の1つの例は, Nof等によって与えられている。待ち行列ネットワーク解析およびシミュレーション・パッケージを用いて,どれぐらいの部品を設備に載せるか,どの生産プロセスを選ぶか,また設備における特定の機械に部品を割り当てる方法などの点を含んだオペレーショナルな制御の代替案を評価する。

前に定義したように,学習制御モデルは全体的なプラント制御に対して提案されている。Nof等において, 生産オペレーテング・システムの概念は,漸進的に制御決定を改善するためにある知能をもった自動生産の制御について述べられている。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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