コラム・特集

8.1 予測値として望ましい特性

IEハンドブック
第13部 IE技術者の定量的方法論

第8章 時系列予測

8.1 予測値として望ましい特性

予測とは未来の出来事について述べることである。この出来事は,それが生じたときにアクション をとる責任をもつ者にとって関心事である。この章では数値として表わすことのできる事象に集点をしばり,過去のデー タに基づいて予測値を算出する数学モデルを紹介する。したがって,予測は数値で示され,統計的なモデルをえば,その信頼区間を求めることもできる。ここで紹介するモデルのどれを選ぶかという場合,予測値に関する次のような特性を考慮すべきである。

(1)何期先を予測するかという 予測期間(またはリードタイム ) と関心のある事象の観測値の間隔,
(2)必要な精度,
(3)使えるデータ数とその安定度,そして
(4)モデルを作成し 予測を行うための費用

予測期間が長くなれば,どのモデルでも精度は低くなるデータが過去の安定した出来事に基づく現象を表わしていれば,より多くのデータを集めれば,り正確な予測値が得られる。しかし,急激に変化するような状況では,過去のデータにはあまり価値がない。また,長い間隔で収集されたデータよりも,短い間隔で得られるデータを用いるほうが,より正確な予測値を得やすいことにも 注意すべきである。 ここで紹介するモデルは,そ の値を予測しようとする変数についての,過去の観測値がある場合にのみ使用できるそのような予測値には,ふつうデータが低コストで使えるという利点がある。さらに,そのデータには, 調べたい現象の未来の動きについての多くの情報が含まれ,短期間先の予測であれば,かなり正確にできることが分かる。予測値を求めようとする変数が,他の変数と関係をもつと仮定するモデルは,その作成にはより多くの費用がかかるが,長期間先の予測には重要である。そのようなモデルのひとつは第13部第6章で示した回帰モデルである。 しかし ,それらのモデルを用いるには,関係のある変数のそれぞれについての予測値を求めておく必要がある。したがって,多変数のモデルを使うためには,その前に単一変数の予測モデルを作成しておかなければならない数値データが十分な数だけ入手できないとか,非常に長期間先の予測値が必要な状況のもとで用いられる予測モデルについては,別の形式で展開されている。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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