コラム・特集

7.18 非指数型待ち行列と位相タイプ分布

IEハンドブック
第13部 IE技術者の定量的方法論

第7章 待ち行列の理論

7.18 非指数型待ち行列と位相タイプ分布

待ち行列システムは,一般に仮定している分布が指数型かそうでないかによってマルコフ型と非マルコフ型とに分類される。マルコフ型の待ち行列については,到着とサービス時間を表わしている指数分布の特性を用いて, 扱いやすい解析的あるいは数値的解が得られている。しかし,指数分布で実生活をモデル化するには,いくらかの欠点がある。たとえば,よくある単峰性や多峰性を表わすことはできない。それゆえ実際には,指数分布からかなりかけ離れた時間分布をモデル化するときは,アーラン分布や超指数分布(負の指数分布の有限混合)などがしばしば用いられる。

これらの場合,非指数型の待ち行列を取り扱うことになる。この待ち行列では,通常,分布がLaplace Stieltiesや Fourier変換あるいは母関数変換で与えられるので,対象としている変量を解析的に扱うことができない。これらの変換には,複雑な係数の線形方程式から別に計算しなければいけないような未知のパラメータがいくつか含まれている複雑な係数は複素平面のある領域内での超越方程式の根に依存している。このような場合,Roucheの定理を用いると理論的解析は可能であるが,実際問題としてこの方法はきわめてむずかしい。そこで解析的にあるいは数値的に取り扱い可能な非マルコフ型待ち行列を研究する方法が望まれる。最近,Neutsは特殊ケースとしてアーラン分布や超指数分布を含んでいるような分布のクラスを紹介し,このような分布を「位相タィプ確率分布(probability distributions of phase type:P-H type)」と呼んでいる位相の方法を用いて彼は,P-Hタイプの到着またはサービス,あるいはその両方を含んだ非マルコフ型待ち行列が取り扱い可能な型に解けることを示している。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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