コラム・特集

7.17 待ち行列の近似

IEハンドブック
第13部 IE技術者の定量的方法論

第7章 待ち行列の理論

7.17 待ち行列の近似

待ち行列の状態を概念化し,その数学的モデルを構築することは可能である。しかし,この問題は非常に複雑なので,取り扱うのが困難であり,実際的な解を得るのもきわめてむずかしい。よって,数学的忠実度と実際的な解との間のギャップを橋わたしするものが必要となってくる。近似の第1タイプは,先験的にはまずいモデルではあ るが,取り扱うのが簡単であるようなモデルを適用することにより,実際的な解を得ようとするものである。もしこれが受け入れられなければ,シミュレーションが第2の手段となる。多くの労力を要することであるが,現実の場面を正確に映すようなシミュレーション・モデルを作ることは可能である。コンピュータの出現により, シミュレーションというふうなこの種の近似法が,待ち行列問題解決の手段として広く 受け入れられるようになってきた。第3タイプの近似法は古典的なものである。

使われるテクニックは次の2つである。

1.取 り扱い不可能な関数を,変数のある範囲以上の 高次の項を無視し て,べ き級数に展開する

2.展開式に初期値を代入し,反復法を用いる 以上のうちのどの近似法を用いるかは,費用やトレードオフを考えたうえで解析者が決定すればよい。

待ち行列モデルでは,この他によく用いられる方法として「 拡散法(diffusion approximation)」がある。この方法は平衡分布や時間に依存する待ち行列を解析するのに用いられる。このテクニックは1世紀以上にわたって物理学者や数学者が用いてきている。待ち行列というのは離散的ではあるが,この方法では連続な確率変数として取り扱い,拡散方程式を導くものである。これの詳細はNewellを見よ。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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