コラム・特集

7.16 在庫問題への応用

IEハンドブック
第13部 IE技術者の定量的方法論

第7章 待ち行列の理論

7.16 在庫問題への応用

待ち行列理論の応用は非常に多く,それらを完全にリストアップするのもむずかしい。ここでは,在庫のコントロールヘの簡単な応用について述べておく。

「到着」というのは在庫から出庫することの注文に相当する。サービス・メカニズムは在庫が減った分を補充する過程になる。サービス時間は,ある品物を補充するのに要する時間である。すなわち,在庫からある品物を出庫して,新しい品物が着くまでの間の時間である。待ち行列は,ある品物を在庫している業者がその品物を販売し,それを補充するために工場あるいは卸売業者に発注し,その注文が満たされない場合に発生する。在庫問題と待ち行列との関係をはっきりさせるために,次の術語の対比を見ていただきたい。

待ち行列用語   在庫用語
サービス     補 充
到 着       販 売

ここで,以下のことを仮定する。
1.業者は販売したらすぐに次の品物を発注する。このことは,手元にある品物とまだ届いていない発注品との合計が定数Sであることを意味する。このSは「最大在庫数」と呼ばれる

2.品物の在庫がある限り,販売は週につき率λ のポアソン分布に従う

3.品物の在庫がつきれば,販売は行われない

4.補充時間は平均1/μ の指数分布に従う

そうすると,M|M|Sモデルが考えられることになる 「遊休」中のサービス人は,在庫中の品物に対応し,「稼働」中のサービス人は在庫がない状態に対応する 販売が行われたらサービスが始まり,補充品が届けばサービスは終了することになる。

待ち行列理論の公式を適用すれば,たとえば未決済の補充の注文の平均数や平均在庫数,在庫切れになる確率,補充期間中の平均販売数などを計算することができる。

上のモデルで,Sは固定されていたある条件を満たすようにνの値を最適化することも可能である。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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