コラム・特集

7.14 優先待ち行列

IEハンドブック
第13部 IE技術者の定量的方法論

第7章 待ち行列の理論

7.14 優先待ち行列

ある種の待ち行列の規律では,あるクラスの客はサービスを受けるときの優先権をもっている場合がある。これは,このような客を待ち行列で待たせておく時間当りの費用が高い場合などのためであろう数学的に解析できる最も簡単な優先システムは,いわゆる割込みのない優先権(nonpreemptive priority)の場合である。このシステムでは,客はサービスを受け始めたなら,そのサービスが完了するまでサービスを受け続ける。その後で,待ち行列中の客のうち最も優先権の高い客がサービスを受ける。割込み優先権のあるシステムでは,優先権の高い客は,到着と同時に優先権の低い客(サービス中の客を含め)より先にサービスを受ける権利を有する。
以下にM|G|1とM|M|Sモデルの場合の優先待ち行列について簡単に述べておく。

割込み優先権のない待ち行列の規律を考える入力の母集団はr種の異なったタイプにクラス分けされ,重要性の高い順に優先権が与えられると仮定するたとえば, タイプ (k+1)の客はタイプカ の客より高い優先権がある。各タイプkの客は,率λκ,k=1, …,rのポアソン過程に従って到着するものとする。ま た,各タイプkの客に対するサービス分布は,平均1/μκ ,分散 Vkの一般分布であるとする。

óκ=k∑j=1・λj/µj

と定義しようシステムの定常状態の存在のために, σκ <1と仮定する。そうすると,ある客がシステムを離れてから,タイプκ の客が行列内で待たねばならない平均時間は、

∑r・λj[Vj+(1/µj)^2]/2(1-σκ-1)(1-σκ) 

となる任意の客が行列内で待たねばならない平均時間は,

Σ k-1λkE/ ∑λk

である。ここに Eは ,タイプκの客が行列内で待たねばならない時間である。 S人のサービス人がいる場合,サービス時間分布はすべてのタイプの客に対し て率μ の指数分布であると仮定する。また,σ/<Sとするこのとき,タイプκの客が行列内にいる平均時間は、

(S/μ)/ [ (S-óκ-1)(S-óκ)・P

となる。ただし,Pは M|M|Sシステムが稼働中の期間の確率である。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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