コラム・特集

7.13 客の母集団が有限の場合と機械干渉モデル

IEハンドブック
第13部 IE技術者の定量的方法論

第7章 待ち行列の理論

7.13 客の母集団が有限の場合と機械干渉モデル

入力の母集団が有限であると仮定しよう (アーランの損失公式はこの場合を考えている).客の母集団が有限の場合の応用のうち,重要なのは,修理工による 機械の保全に関する分野である(機械干渉についての詳細は,3部 5章を見よ)以下に述べる公式は,この分野を想定している。また,ここで使っている記号はPeck Hazelwoodによるものである。彼らは機械干渉モデルを実際に適用するための数表を与えている。定義と記号は,つぎのようにまとめられる。

N.母集団(機械の数,客の数)
M.サービス人の数(修理工,幹線)
T.平均サービス時間(各サービス人のサービス時間は指数分布している)
W.平均待ち時間
U.平均遊休時間(遊休時間は指数分布している)
H.サービス中の平均単位数=NT/(T+W+U)
L.サービスを待っている平均単位数=NW/(T+W+U)
I.遊体である平均単位数(可働機械)=NU/(T+W+U)
F.効率係数(H+J)/(H+L+J)
X.サービス係数=T/(T+U)〔初期にはこれはρ/(1+ρ)で表わされた〕
D.ある単位がサービスを必要とするとき待たねばならない確率

このとき,定常状態で,人の客が待っている確率Pnは ,

で与えられる。P はΣN n=0 Pn=1より求められる。 Peckと Hazel woodの 表は,X,M,N の値に対する D,Fの値を示し ている 彼らはまた数値例や種々の応 用も示している。

機械干渉モデルを取り上げた最初の論文の一つは As hcroftによるものであった彼はここで述べたのと同じようなモデルを取り扱っている。ここと違うのはサービス時間を一定としている点であるSand bergによって展開されたこのような場合に,機械を最適配分するための表をEilonが与えている。この文献はさらに,指数サービス時間分布の一般的なケースの表や例も取り扱っている。

例13.7.3 あるマシン・ショップには,10台の同じ機械がある過去のデータより,機械が故障する間隔は平均3時間の指数分布に従うことが分かっている。機械の故障はポアソン過程に従うと仮定できる。修理工が要するサービス時間は平均2時間の指数分布でうまく近似できる。いま,修理工は2人いる。しかし,修理工が他の機械の修理に当たっているため ,何台かの機械は働いていない。

会社は5ドル /時間を修理工に支払っている 機械の遊体のために発生する損失は,平均して 13ドル/時間であると推定されている。総費用を最小にするには,修理工を何名にすればよいか。

解を見つけるため,

各変数をあてはめるとN=10,T=2,U=3,X=T(T+U)=2/5=0.400となる。そこで,ν=2,3,4,5,… に対して 総費用を計算し, 最小となるνの値を決定すればよいこのとき,

H=FNX=利用できる 修理工の平均人数
L=サービス 待ちの機械の平均台数
=(1-F)Nであることに注意していただきたい。

PeckとHazel woodの 表のN=10のときの値より,図表13.7.5に示すように,いくつかのMの値に対する総費用を計算できる。図表13.7.5より,M=5が最小総費用を与えるよって,修理工の最適人数は5人となる。図表13.7.6は,費用の曲線と修理工の最適人数を図示したものである。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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