コラム・特集

7.5 待ち行列システムの解析

IEハンドブック
第13部 IE技術者の定量的方法論

第7章 待ち行列の理論

7.5 待ち行列システムの解析

待ち行列の実際的応用では,数学的にその性質を解析する。主要な性質は,一般的に

1.客かサービスを受けるため,行列中にいなければ ならない時間の長さの分布と,その平均時間 .
2.任意の時点における客あるいは単位の数の分布とその平均値
3.サービスをする側の稼働時間の分布とその平均値
4.システムの経済性,たとえば,「機会損失」した客による損失や,サービス側の遊休時間,客の待ち時間による損失などである

数学的解析には一般に2つの形式がある。1つは解析的アプローチであり,他はシミュレーションによるアプローチである.解析的アプローチでは,到着パターン や サービス時間分布といったシステムの要素を解析的に表 わし,現実問題として焦点の当てられた主要な性質を数学的に明らかにしていく。しかし 往々にして,解析的な待ち行列問題は非常に複雑になり,簡単でしかも 応用可能な式を導くことができない。そこで他の方法としてシミュレーションがある。システムの物理的,統計的特性を明らかにするため,いくつかのシステム要素についてサンプリング 実験をし,主要特性について研究する。高速コンピュータの出現により,複雑なシステムの実験やシミュレーションが可能となったので,このアプローチは一般によく用いられるようになり,実行も可能となってきた。

いずれのアプローチにおいても,待ち行列システムを十分長い時間観察し て,その特性を明らかにしていこうとするのが共通している。解析的アプローチでは,任意 の時点における式を導くことは,普通きわめて困難である。そこで,「定常状態(steady state)」 あるいは「平衡状態(equilibrium state)」 が考察の対象となり,各特性はこの状態のもとでのものをいう。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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