コラム・特集

5.12 今後の考察

IEハンドブック
第13部 IE技術者の定量的方法論

第5章 仮説検定と統計的推測

5.12 今後の考察

本章で議論した仮説検定の多くの場合,確率変数が正規分布にしたがうという仮定が要求されている。現実問題として,このことは満たされないかもしれない。そこで,この仮定が無視できるための2つの解決策がある。

まず, t検定よりもむしろZ検定を用いるために十分多くのデータをとることである。もし標本が十分大きければ,正規性の仮定は必要とされない。しかしながら,多くのデータがとれなかったり,多くのデータをとるのにコストが高くつくような場合,ノンパラメトリック検定が必要となる。

ノンパラメトリック検定は,確率変数の分布形に関する仮定を必要としない。通常必要とされるものは,調査における測定のスケールと確率変数が離散的か連続的かの区別である。ノンパラメトリック統計学は本章の入門的範囲を超えるものであるが,仮説検定におけるその役割については知っておくべきである。 ノンパラメトリッ ク統計学に関する最近の著書2~ 4は本章の話題については完全にカバーできる。

最後に,第1種の誤り(α),第2種の誤り(β),棄却 限界値,OC曲線,片側および両側検定の概念は,すべての仮説検定に共通のものであることを注意しておく。 本章では,経営工学において,最も共通して関連のある平均と分散に関する検定のみを説明した.また,品質管理への応用において仮説を検定したり,比率検定,パ ーセンテージ検定や適合度検定において仮説を検定する場合も出てくるであろう。これらの応用等については多くの応用工学の著書に述べられている。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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