コラム・特集

4.3 計画法

IEハンドブック
第13部 IE技術者の定量的方法論

第4章 IE技術者のための実験計画法

4.3 計画法

 

ブロック計画 (Block Designs)

ブロック化の重要性
実験計画法についての書物の多くの著者は,ブロック化,すなわち対象としているすべての要因の水準の全処理,または組合せを,同質のグループに分け (これによって実験誤差による異常値の影響を取り去り),種々の実験単位について。時間そして,または空間的に ,このグレープあるいはブロック を反復するということの重要性を強調している。この概念を示すため,実験計画により得られたデータを分析するための基礎として使われる数式を用いよう。

式1と式2を設定するときの概念に立ち帰れば,まえとは別の実験計画として,5つの処理からなる3つのブロックを配列することが考えられる。ここで5つの実験単位は,ブロンクごとに5つの処理に対し無作為化される。このとき分析に用いる式は,

yij=μ +βi+δ (i)+Ti+∈ij                     (3)

となる。ただし,yijとμは式2の 意味と同じであり , δ(i )も式2の δ(i)と同じである。さらに,

Bi=プロックiの効果
Ti=第j番目の処理の効果
εij =ブロツクiの第j番目の処理による誤差 (交互作用はないものする)

である。

実験者は,処理効果の検定のみを対象とするのであるから,これは優れた計画法である。なぜなら,処理による変動は,εijによる変動と対比されるのであるから, εijはTi の検定の基礎となるからである。もしβiとδ (i) の効果がゼロであるなら,Bi,δ (i)と εijはプールさ れ,式3は 式1となる。一般にブロッキングは実験において常に効果があり,可能ならいつも使用すべきであることが知れよう。

正しく適用されたラテン方格計画法は, 1次元以上に無作為化の制限を拡張しているにすぎない。あまりにも多くの技術者たちは,ラテン方格法を特殊な一部実施要因計画法として間違って使用している。 ここで許されたスペースで,これらの観点を説明するのはむずかしいので,初心者はラテン方格法を使用しないようにすすめておく。

ブロックの不適切な使い方
前の例で,プロックにより生じる制限の誤差δ (i)の影響により,ブロッキングの重要性が減じられるようなことはない。なぜなら,実験者は実験誤差の推定値εijを導くのに,ブロッキングの効果に加えて,制限による誤差にも関心をもつからである。このとき, εijは処理 効果のみを検定する基礎となる。

ブロック化を不適切に行ったケースを挙げておこう。それはマイクロフィルムを評価する例である。この場合の目的は,ユーザーの不満を少なくすることである。実験者は2種類の投影法(前方Fと後方β)をブロックとして用い,無作為化を行うために,4つのスクリーン角 度(0° ,45° ,90° ,105° )を各ブロック内で2度ずつ用いようとした。測定された変数は,投影されたものを読み取るのに必要な秒数である。計画法を表で示すと次のようである。

表 投影の種類

 

この場合の正しい自由度と得られたデータの解析モデルは,

16=1+1+0+3+3+8                                      
yijκ=μ +Ti+δ (i)+Aj+TArij+∈(ij)k               
i=1,2; j=1,2,3,4; k=1,2                            (4)

である。ここに、

yijk=第j番目の角度,第i番目の投影法を用いた第κ番目の観測値から得られた,マイクロフィルムを読むのに要した秒数

μ=全平均
Ti=第 i番目の投影法の効果(定数 )
δ (i)=他の投影法が用いられる前に第i番目の投影法に用いられたすべての角度による制限誤差
Aj=第j番目の角度による効果(定数 )
TAj=第i番目の種類と第′番目の角度の効作用の効果
ε (ij)k =第i番目の種類,第j番目の角度による第k番目の観測値の誤差,NID(0,σ^2) と仮定する

である。
式4を用いてデータ解析をする場合の分散分析は

表4

となる。平均2乗期待値の列から,平均2乗期待値が σ ^2/8となる項目がないので,投影の種類を検定できないことが知られよう。よって,この例はブロックを不適切に用いているものである。σ ^2/8 を推定する項目を得るには,実験の繰り返しが必要である。この概念については次の節で述べる。

ブロックの適切な使い方前の節で述べた例を正しい実験にするためには,次のような8組の処理を設定する必要がある(これは1つの可能な無作為化である)。

表ブロック

となる。ここに,

Bi=第i番目のブロックの効果(ランダム )
δ (i)=ブロックを正しく用いたときの制限誤差
Tj,Ak,BTAijk=式4のTi ,Aj,TAijと同じBTij, BAij,BTAik=(矢印の項を)検定するための誤差項,これは共通誤差にプールされる。
ε (ijk)=残差誤差,ブロック内の処理の組の1つの観測値では推定できない 。

これらについてはAndersonと McLeanで 詳しく説明されている。

反復測度と交配法
電子装置に部品をはんだ付けする作業を行う工場の研究者が,ペース化と非ペース化の両生産方式について研究したいと考えた。彼は工場で女性のみによる実験を行い,彼女たちの年齢を記録しておいた。彼は年齢にしたがって,次のように女性をグループ化した。そのグループは,若年(18-23),中年(30-35),老年(52-57) である。各グループには6人の女性がおり,各グループの3人ずつの女性について2週間,(ペース化と非ペース化 )と (非ペース化とペース化 )という系列を(無作為に)割り付けた。この実験計画法を図示すれば次のようになる。

 表 年齢

このタイプの計画法と分析法についての詳細はGrizzle,Myers,Andersonと McLeanを参照されたい。これらの計画法をもっと系列の多いものに拡張するには,AlbertらとWestlakeを読まれたい。

他の計画法
IEに用いる実験計画法には,要因分析法や,一部実施要因分析法プラス応答曲面法を用いるような多くの計画法がほかにもある。
これらの計画法や解析法については,Myers,Andersonと McLeanl,Boxらを参考にせよ。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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