コラム・特集

2.2 定義と表記法

IEハンドブック
第13部 IE技術者の定量的方法論

第2章 確率の概念

2.2 定義と表記法

一般的に「確率」という言葉は,たとえば天気予報において「明日の降雨確率は20%である」というように, ある事象の生起の相対的な確実性や可能性を意味する。この例は,このような天候状態では,平均して5回に1回,あるいは全体の時間のうち20%の時間の割合で雨が降るということを意味している。その他の例としては,製造工程において不良品が発生する可能性や,建設工事が時間どおりに完了する確率などがある。このような場合において,私たちは,確率やまたはある事象が生じるであろう可能性に関心がある。重要なこ とは,予測は,事象が生起する以前に行われなければならないということである。多くの工業上の応用においては,どのような結果が起こるかは分からなくて,ただ種々の起こりそうないくつかの結果のうちの1つだけが生 起するだろうということが分かるのである。

確率は,これらの結果の生起の確実性や不確実性を測り,説明することのできる手段である。技術者にとっては,確率による分析方法は,限られた量の情報で判断をするのに適した方法である。確率は,特定の事象の生起を0と1との間の数で示したものである。確率1は,事象の生起が絶対的に確実で あることを,また確率0は,象が起こり得ないことをそれぞれ示している。一般に,起こり得ない出来事は確率0で示される。たいていの事象は,これら両極端の間にある確率をもっている。事象の確率は,その事象がいかに起こりやすいか(確率が1に近い),あるいはいかに起こりにくいか(確率が0に 近い)を測る物指しである。ある製造工程において,不良部品が100個のうち1個作られ,確率が0.01であるならば,その次に作られる部品の不良品となる確率は0.01と考えられる。この場合,逆に,良い部品が作られる確率は0.99である。ある事象の 確率の値は,次節に述べる確率理論を用いることによって決定される。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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