コラム・特集

7.6 0ISのオフィス環境の導入

IEハンドブック
第12部 コンピュータと情報処理システム

第7章 オフィス・オートメーション

7.6 0ISのオフィス環境の導入

OISの実施は,経営管理者たちの間で多くを論ぜられる題材である。

その中で,特に興味の対象となる問題点は,
(1)自動化の程度,
(2)実施までのリードタイムの長さ,
(3)事務訓練の程度,
(4)技術支援のための技術者が得られるかどうか,
(5)OISアプリケーションと,EDPアプリケーションのインターフェイスの必要性,
(6)監査性に関する制約条件と技術を開発する必要性,
(7)にの分野における管理的,技術的経験が少ないこと一等である。

OISの実施技術は,実際の経験を通してのみ得られる。しかし,注意深い計画によって,多くの落とし穴を避けることができ,避けられない,予想できない障害による被害を少なくすることができる。

事務管理者がとれる最も積極的なステップの1つに, 仕事を記述する仕様を形式化することがあげられる。OISの基本的な目的は,電子処理による支援があることを別とすれば,事務作業者に,以前と同じ方法で仕事をさせることである。オフィス作業の自動化は,(結果的にそうなったとしても)個人の仕事の割当てを変更したり,責任を軽くするのが主目的ではない。自動化により向上した生産性によって,事務作業者はより重要な仕事を行えるようになるというのは事実であるが,これは単に,彼らに新しい役割が増えたことを意味している。正確で,精密かつ完全な仕事の記述は,自動化の際に必要 不可欠である。事務作業者やアプリケーションの専門家が,仕事の仕様から直接自動化できるように,仕事の記述は,統一された公式の様式で表わされるべきである。

仕事の記述において,2番目に重要なことは,コンピュー タ・プログラミング言語と似た様式を用いることにより, 容易にプログラム化できるようにすることである。この点ではTICOMⅡ 言語は特に有効である。TICOM Ⅱ言語による表現を用いれば,手続きの操作上の記述が得られるだけでなく,仕事間のデータの流れを,システム・レベルで制御できるようになる。プログラムで記述の 矛盾がないかをチェックでき,その記述によって,自動的にオフィス・モデルを組み上げることができる。コンピュータを用いて,事務分析者はシステムの性能を,効率と内部統制の面から,正確に評価,測定できる。有効であることが確認されたオフィス・モデルやシステムの 記述は,OISを実施する青写真となる。

OIS実施の長期計画を作成するため,各分野からの代表者による特別プロジェクトが編成されるべきである。そのメンバーには,コンピュータおよびEDP技術者,人事関係者,会計および監査官,各部門の代表者,そして事務設計者が含まれるべきである。プロジェクト内でのコミュニケーションは,考えを分かち合い,問題点を認識する上で有効である。計画,開発段階において,OISは自分自身で省力化を行う機器ではないことを忘れてはならない。今日の事務処理における問題点を,すべて自動的に解決するという確実な保証はない。OISの設計には,プロジェクト組織のニーズ,能力および限界を考慮に入れる必要がある。しかし,ひとたびこのような組織ができあがれば,オフィスの自動化は,間違いなく成功するであろう。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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