コラム・特集

6.2 利用形態

IEハンドブック
第12部 コンピュータと情報処理システム

第6章 活用される情報システム作り

6.2 利用形態

情報処理システムの有効利用は,本質的には行動科学的な現象である。個々の人間にとって,組織の意思決定や管理を行うのに,情報システムを構成し,それを採用することは,行動の変更を要求される。このように,情報処理システムの有効利用に関する研究は,工学よりもむしろ社会科学の領域に入るシステム利用の際に含まれてくる組織的かつ行動科学的な要因は,情報システムに内在し,モデル構築の際に含まれてくる要因よりも,定義するのがより不正確で,かつより困難である傾向がある。

情報システムには多くの異なる利用形態がある。自発的システムとそうでないシステムとの間には,一つの際 立った違いがある。自発的システムでは,情報システムの使用に関してユーザーが選択権を持つ。多くの意思決 定中心型のシステムは自発的である。すなわち,ユーザーはそのシステムの下で働くか否かを決定できる。

事務処理や業務管理システムでは,通常,そのデータ 入力に携わる人たちに,そ の選択の自由はない。彼らは, その仕事の一部として,システムに入力を行わねばならない。しかし,経営者は,これらのシステムの1つで作成されたレポートを,無視することも利用することも選択できる。このように,同じシステムの利用に関してでも,自発的な場合と要求された場合との2つがある。システムの設計者は,自発的な利用をどのように誘発するかを考慮する必要がある。設計者や何人かの経営者があるシステムを高く評価したからといって,利用可能な立場にいる。すべてのユーザーがそれを利用する保証はどこにもないシステムの利用を,ある人の仕事の一部として義務付け得る場合ですら,稚拙に設計されたシステムの強制的利用は,人間疎外をもたらし,サボタージュすらもたらすので,一層注意深く設計せねばならない。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

関連記事一覧

2019ものづくり公開セミナーガイド

B2Bデジタルマーケティングセミナー

ものづくり人材育成ソリューション

マーケティング分野オンラインセミナー