コラム・特集

3.7 結 論

IEハンドブック
第12部 コンピュータと情報処理システム

第3章 データベース管理

3.7 結 論

われわれは,データベース管理の概念の説明から始めて,3つのデータ・モデルを考察した データの構造化とデータ操作における共通点と相違点に言及したデータベース設計問題を次に考察した。われわれは,データベース管理システムの選択とデータベース管理の将来についてのいくつかの所見でもって結びとする。

ある与えられたデータ・モデル から生じるデータベース管理システムの間には,本質的な差違がありうるということを理解することが重要である。たとえば,ネットワ―ク型データベース・システムは非常にたくさんある。これらは,サポートされるスキーマ設計の特徴(たとえばMDBSは N:Mセ ットの構成概念をもっているが,他のものはもっていない),DDLの構文法,DMLの構文法,サポートされているホスト言語,論理的構成概念を実行する方法,ホストのハードウェア環境の点で異なっている。 階層型システムのあいだの差違は,ネットワーク型システムのあいだの差違よりも,いくぶんより明白になる傾向がある なぜなら,後者は,共通なCODASYLの遺産を持っているからである階層型システムは,1971年のCODASYLの「データベース作業グループ報告」に匹敵するような一連の提案から生まれたのではない関係型システムは,いつか出現するときには,間違いなく, いま述べたような差違を持つであろう。しかし,これらのシステムは,ネットワーク型システムのように,Codd の研究に共通の遺産をもっている 前に指摘したように,特定のデータベース・システムの選択は,モデルを作る人の世界の見方に影響をうける。すなわち,ファイルないし表型見方―対―階層型見方―対―ネットワーク型見方また重要であるのは,システムのパフォーマンスである。ある見方に忠実であるシステムのパフォーマンスと,他の見方に忠実であるシス テムのパフォーマンスについてなしうる一般化はほとんどない。1つの一般化は,関係型システムはネットワーク型システムより効率的でない傾向があるというUllmanの主張である。データベース管理の分野は,その開発の限界にまでいまだ達してはいない。ある人は様々なデータ・モデルが融合するだろうと当然期待するかもしれない。階層型モデルは,概念的にはネットワーク型モデルの特別な場合であり,シ ステムのために提案されている操作言語は, MDBSの 照会言語にきわめて似ている 後者は,ネ ットワーク型データベースから,表を生成するものとして, あるいは仮想関係 (virtual relation)を生み出す手段と見なされるであろう。他の開発領域は,ス キーマ設計の自動化である。たとえば,あるアプリケーション 領域のための望ましいアウ トプット・リポートは,スキーマ設計過程を導出するのに用いられるかもしれない。これには,アウトプット・リポートの性質を指定するための形式言語と,リ ポートの仕様の集まりと意味されるデータ関係を有効な(ないしは最適なものにさえ)スキーマ仕様へと変換するメカニズムを必要とする。 最後に,ファイル管理がいまだにMISを構築するために広く用いられているということを指摘しなければならない。

ファイル管理は,管理される情報のタイプが少なく,情報のタイプのあいだの相互関係が少なく単純である。アプリケーションには適切でないというわけではない。 MIS開発のために,古いファイル管理の技術よりも,むしろデータベース管理を利用するという傾向は大きくなりつつあるこの成長に対する障害は,データベース管理とは何であるかについての無知と,データベース・システムの利用の困難さであった 。2番目の障害は急速克服されつつある MDBSの出現によって,データベース管理は,大部分の小規模アプリケーション(たとえば小規模企業)に適用できるようになってきた。その価格はミニ ・コンピュータやメインフレーム・コンピュータ用のデータベース・システムの費用に比べわずか(10分の1から100分の1)である。

さらに,データベース・システムは ,ミニ ・コンピュータ, メインフレーム,マイクロ・コンピュータ・レ ベルで, 利用できる機械の数は増大してきているデータベース・システムの利用可能性の増大は,先に述べた1番目の障害をし だいになくし ていくであろう。データベース・システムが,MIS開発の基礎としてより 広く 用いられるようになると,そ れらはまた意思決定支 援システムを構築する際のかなめ(コーナーストーン) になると 期待されるデータベース・システムを様々な手続きモデル(たとえば,シミュレーション・モデル ) とインターフェイスする意思決定支援システムが構築されるであろう。これは,プログラムを書かないユーザーに答えるためであり,英語に似た非手続き言語で述べられるであろう。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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