コラム・特集

1.4 コンピュータ・システム

IEハンドブック
第12部 コンピュータと情報処理システム

第1章 コンピュータに関する基礎知識

1.4 コンピュータ・システム

機能と運用
コンピュータ・システムは,通常,異 なる2つのモードのどちらかで利用可能である。すなわち,1つの仕事 (あるいは関連した仕事のグループ)向けの専用か,1つのユーザー社会に属するメンバー全員向けの汎用かである。専用システムは様々な状況下で使われているが,その中の幾つかは

実験室――ミニ・コンピュータによる化学実験装置の監視と制御
製造会社――コンピュータによる工作機械,自動組立装置,検査機器の制御
航空会社――大型システムによる数百万もの座席の予約
軍隊――コンピュータによる戦闘状況のシミュレーション
政府――コンピュータによる大気や水の汚染監視
教育――コンピュータ支援学習システムによる基礎学習の訓練
ビジネスーー卓上システムによる計画活動や予測活動の支援

である。

汎用システムは,コンピュータ・センターで見受けられ,ユーザー・グループヘの計算サービスの提供という形で使われている。これらのセンターは,通常,企業, 研究所,官公庁,大学のような大組織に設置されている。これらのシステムは,そのユーザーのために広範なサービス,すなわち,何種類ものプログラミング言語,広い範囲にわたるサブルーチン・ライブラリーなどを用意している。通常,あらゆる種類のI/O装置が利用可能である。

これらのシステムの大多数は,かつて,カード・リーダーやライン・プリンターを,それへのアクセス手段としていた。そのようなシステムは,「バッチ処理」モードでの運転といわれた。すなわち,ユーザー・プログラムそれ自身を, 1つのバッチとして取り扱っていた。今日, 大部分のシステムは様々な手段でアクセス可能である。直結した (ローカルな)カード・リーダーやライン・プリンターに加えて,離れた所に置れたカード・リーダーやプリンターリモート端末,それに別のコンピュータなと様々な機器が,通信回線を介してシステムに接続され,システムヘのアクセス手段となっている。

リモート端末のユーザーかシステムを用いる際には,幾つかの異なるモードかある。最も限定されたモードでは,端末ユーザーは,プログラムやデータなどのファイルの作成と修正ができ,それらの処理をバッチ・システムに委託し,プログラムの実行結果を受け取ることができる。拡張モードでは,端末ユーザーは,自分で書いたプログラムを含めて,実行プログラムと実際に対話しなから事を進めることができる。もともと,「タイム・シェアリング」(時分割)という言葉は,この種のユーザー・アクセスを表わしていた。今日,「対話型アクセス」という言葉が,よリー般的に使われている。

多くの組織において,形式的には集中型汎用システムのユーザーである人たちが,自分たちの小さなシステムを別に所有し,それを専用に使って,自分たちのプログラムを処理するようになってきた。しかしながら,これらの人たちの多くは,小型専用システムの利用の他に,さらに別のユーザーの情報を共有し,中央の(大型汎用)システムの諸設備にアクセスすることを必要としている。今後 の発展傾向は,これらの小型システムを衛星状に, 1つあるいは多数の中央システムに接続する,コンピュータ・ネットワーク技術の利用である。

システムの性能
すべてのシステムは,つまるところ人間のサービス要求への応答か,ある付属機器に対する制御信号かいずれかの形式で,何らかの結果を出さなければならない。ほとんどすべての状況で,要求時刻と応答時刻の間の経過時間に対して,あ る種の要求あるいは期待がある。この2つの事象間の長さは,「応答時間」と呼ばれている「リアルタイム」(実時間)という言葉は,応答時間に厳しい要求のあるシステムに対して使われている。

システムの命は2つの面からなる 第1面では応答の正確さか主要な関心事である。第 2面では応答時間に対する要求または期待を満たすことが主要な関心事である。別の言葉で置き換えれば,システムの正常性とシステムの性能,この2つ の面である。これは,システムの規模とスピードを事実上指定する性能の評価基準である。

性能評価とシステムの能力に関する話題は,今日,シ ステムの更新時において人々の大きな関心事である。多くのシステムは,ユーザーによるサービス需要とこれらの需要に対するシステムの応答,この2つのデータを収集する機能を備えている。そのようなデータは,性能が不適当であることの原因を究明しようとするとき大きな助けとなる。もう1つの進展は,運転状況やシステム構成が変わったとき,システムの動作特性の予測に役立つシステム・モデルの導入である。モデルの1つのタイプは,離散時間シミュレーションによるものであり,もう1つのタイプは,待ち行列理論に基づくものである。これらのモデルの目的は,サービス需要の変化に答えるための,新しい機器導入の必要性に関する意思決定を支援することである。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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