コラム・特集

7.5 保全マネジメントにおける作業者技能とモチベーション

IEハンドブック
第11部 計画と管理

第7章 保全マネージメントとコントロール

7.5 保全マネジメントにおける作業者技能とモチベーション

製造業やサービス産業における機械化,自動化の進歩に伴い,作業者の作業は単純化され,作業者の作業数も監視作業だけとなる。その結果,作業者は,自分たちの仕事や自己改善に興味を失い,注意が散漫になる。そうした状況の下では,機器や施設の多くのトラブルは,作業中の作業者の不注意によってもたらされる。作業者はそうした故障に影響されると共に,生産性も低下する。

機器や施設が精密かつ複雑になるにつれて,より高度の保全技能が必要とされる。過去には,修理作業のみならず,機器や施設の点検作業もライン作業者から分離して,保全の専門家に任せて管理する傾向があった。その結果,作業者は単調感やたいくつ感からひき起こされるストレスを増大させることになった。 機器や施設におけるトラブルが初期段階で検出されれば,保全業務は容易になり,停止時間は減少する。また保全費用や機会費用も削減される。さらに,トラブルや故障がランダムに発生しているとき,機器の操作や監視を直接担当している作業者のほうが,初期の段階でそうしたトラブルを検出しやすいという事実がある。こうした事実に基づき,多くの企業が最近作業者のニーズと企業のニーズとを融合させる方法を開発し,導入している。たとえば,作業者自身が,初期の段階で機器の異常を検出し機器のトラブルや故障を点検する責任を負うような,新しい職務が設計されている。また,作業者の技能や能力を向上させる教育・訓練も 与えられている。この方法では,企業は作業者のニーズを満足し,単調さを少なくすることを期待している。こうしたアプローチから,単調感を削減し,作業者のモチベーションを向上させて保全効率を高めた事例がいくつかの企業でみられる。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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