コラム・特集

7.1 保全マネジメントの役割

IEハンドブック
第11部 計画と管理

第7章 保全マネージメントとコントロール

7.1 保全マネジメントの役割

製造業のみならず,あらゆる種類の産業は,生産やサービス業務の機械化,自動化,およびスピードアップを図ることにより,労働生産性の向上,製品とサービスの品質の向上,および作業環境の改善に努力している。機械化は,企業の成長と利 益の増大をもたらすだけではなく,国民経済を発展させ,生活水準の向上をもたらす。

しかしながら,機械化が進めば進むほど,機器や施設に故障が発生すると,より重大な損失や損害をもたらすことになる 。例えば,原子炉破壊や化学プラントの事故によってもたらされる大気汚染や水質汚濁の発生,あるいは,通信やサービ ス 機器,施設の故障によってさえも, 重大な物的,経済的,精神的影響が人間社会にもたらされよう。工場やサービス業においても,機器や施設の故障によって,次のよう影響がもたらされる。

1.欠陥製品や劣等級化製品の発生
2.資材,エネルギー,労働力など生産諸資源の浪費
3.無益な修理コストの増大
4.生産計画や事業計画における混乱や納期遅延
5.従業員のモチベーション 低下
6.公衆苦情の発生

工場やサービス業で使用される機器や施設が極度に大型化したり,極度に小型化したり,超高速度になったり,さらには,種々の温度や圧力の条件の下で稼働されなければならない場合には,人間の感覚では操作不可能であり,機器や施設の異常状況を稼働中に検出し,故障診断して,保全や修理作業ができる物的能力が要請される。

今日,保全マネジメントにおいて,なされつつある 2つの努力は,そうした機器や施設における故障の影響を最小化すること,および保全業務から得た経験や知識に関する情報を,機器や施設の設計部門や製造部門にフィ―ドバックして保全業務を削減することである。事業の規模や生産される製品の種類にかかわることなく,あらゆる産業における保全マネジメントに必要な事項は,以下のものである。

1.保全マネジメント の有効性・経済性分析と評価。
2.保全マネジメント の機能,組織,システムおよび 手続き。
3.保全診断システム。
4.生産および保全活動における作業者技能とモチベ ーションの向上。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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