コラム・特集

5.2 能力の概念

IEハンドブック
第11部 計画と管理

第5章 能力:その測定と管理

5.2 能力の概念

定 義
能力とは、人と設備とを結びつけたシステムの期待産出力である。この予測値は,一般に,例えば,単位時間当たりのアウトプットのように比率で表わされる。これは,能力が諸活動のために投入されたリソースの最終結 果を表わすからである。したがって,能力の概念は,継続的にアウトプットできるものの最大値として定義され (製品やサービス), 一定の期間について費用で表わされる。以下に,3つの項目について詳細に説明する。

1.継続的アウトプットの最大値
このうち,キーワ ードは “継続”ということである。能力は絶対的最大アウトプット比率(例えば,時間当たりの総数量)から,潜在的最大値に対してロスを与える干渉要因までのアウトプットに影響を与える,すべてのアイテムを包含している。すなわち,“継続”という言葉は,所与のリソース計画の範囲内で,企業が被るロスを是認している。

2.期間
能力は,一般に年単位で記述される。これは元来,年間の財務予算を達成させるために必要な能力の役割からきている。期間を1年に固定しなくてもかまわない。重要なのは,期間が明示されていることである。

3.費 用
費用は,継続的アウトプットの最大値を達成させるために必要な,すべての運用/支援リソースと関係をもっている(図表11.5.1参照 )。

能力を設定/管理するための基本線
能力を設定し管理するためには,以下の3つの不可欠な基本線がある。

1.アウトプット比率と時間の構造のデータベース
a.アウトプット比率データベースは,最大可能値として表わされる(総アウトプット,ロスなし)。
b.時間構造ベースは,24時間/日である。週当たりの稼動日数を一定と考える。例えば,組立産業では5日/週としているし,装置産業では7日/週としている。

2.改善すべきシステムは,関連のあるすべての運用要因や,運用支援要因の実際の成果を測定/報告するように開発する必要がある。したがって,コンピュータ支援プログラムは,以下のように開発されなければならない。
(a)記録上の価値の重み付き平均の算出。
(b)保全,廃棄,変更のような総アウトプットに対するロスの計算。多くの大企業では,すでに,このようなツールをもっている。コンピュータ・ハード ウエアの急速な低価格化に伴い,タイムシェアリング・システムは,産業のあらゆる分野に適用されるのであろう。これらの支援がなければ,効率的能力管理システムの維持は大変むずかしい。

3.“成果分析(performance analysis)”と呼ばれる手法は,能力計画を展開し,その結果を管理するために用いられる。この経験的アプローチは,企業がすでに存在し,測定すべき成果があることを仮定している。しかし,たとえ企業が,オリジナルな計画段階にあったとしても,この方法論を効率的に使用するのはむずかしいことではない。理論的な観点から,能力を数量化する試みが,数多く行われている。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

関連記事一覧

2019ものづくり公開セミナーガイド

B2Bデジタルマーケティングセミナー

ものづくり人材育成ソリューション

マーケティング分野オンラインセミナー