コラム・特集

3.8 結論

IEハンドブック
第11部 計画と管理

第3章 総合生産計画

3.8 結論

本章では,生産平滑化問題を解くための5つのアプローチが概観されたが,それらのおのおのは一定の強さと弱さをもっている HMMS規則,切換方法,線形計画モデルは,主に費用最小化(または,ある線形計画法による定式化では利益最大化)に関心がある。DE規則は, また,評価基準として費用最小化を使用している(ただし,HMMSモデルとは異なった構造をもつが)。管理係数法は,計画決定において一致性を維持することに努め,費用は単に正当化のために引き合いに出されている。

5つのアプローチの直接的な比較は,それらの仮定や評価基準における差異のために困難であるが,それは特に他の要因―組織で採用される。予測システムの正確さや実施の問題のような――が難しいからであろう。例えば,もし費用関数が実際に2次の形であるとわかるならば,HMMS規則は最も適当であろう。もし生産計画者の評価基準が生産変動と在庫変動の間に均衡をとることにおれ,HMMSモデルで考慮された多くの費用パラメータの,直接的な評価を避けることにあるならば,そのときはDE規則か切換法が効果的で使用が簡単であろう。

管理係数法は,実施するのにはもっともよくまとまっているように見えるが,また,もっとも得るところが少ないであろう。線形計画モデルは強力であり,線形費用仮定にもかかわらず大体は全く満足するものであるが, 需要予測が相対的に不正確なときに弱みがある。切換法は,受け入れられる仮定や費用関数のタイプが弾力的であり,実行がシミュレーションによって反復的にかつ密接に監視されるという,単純な管理方式にもとづいている。しかし,この方法は,単に生産・管理水準が相対的に小さいときに効果的であり,そうでなければ,必要とされる計算量は大変急速に増大する。

ここで述べられた5つのアプローチは,実際の問題に応じて発展させられてきており ,それらはすべておのおのが考慮された個別の生産環境に特有なそれら自身の方法で成功してきた。それらは,明らかに次の2つのことを示している。総合生産計画は,異なった角度からアプローチされることができるということ,および,あるアプローチは精巧なデータバンクを頼みにしているのに対して,他は詳細計画がその後の分離問題で起こるという理解から,計画問題を意味のある少数の変数に減少させることを意図しているということである。計画者の最初の仕事は,自分自身のシステムに,どんなアプローチを採用するのが適当かということに関して判断することである。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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