コラム・特集

3.5 管理係数法

IEハンドブック

第11部 計画と管理

第3章 総合生産計画

3.5 管理係数法

モデル
この方法はBowmanによるものとされているが,所与の環境における管理者の意思決定行動を述べる係数を確立していこうとする。この場合,統計的回帰分析を使い,生産規制は,以下のような単純な表現に表わされる。

Pt = a1Ft + a2wt-1 – a3I t- 1+A4r             (21)
Wt = b1Ft + b1Wt- r-b3It-1+b4                 (22)

ただし,α ,bは回帰分析から導かれる。ここでの仮定は,管理者の決定が主に当期の労働力,在庫水準と,次期の需要予測によって決定されるということである。もちろん,検討してよい多くの代替的な多重回帰モデルがある。例えば,生産水準が(tI1)期の予測を考慮する場合には,次のような形をとればよい。

Pt =α1Ft+α2Ft+1 + a3Wt-1 – a4It-1 +a5         (23)

実際,式(9),(10)のような拡張表現は試みられてもよいが, Bowmanは彼が研究した場合には,そういった回帰分析は,予測推定間の高い相関のために,まずい結果を与えたと注意している。

このアプローチの公理的考えは,Bowmanが述べているように「経験のある管理者はシステムの基準を完全に知っていてそれに敏感である」ということであり,管理者の決定は「偏っているというより,より移り気である」ということである.彼は,管理者の決定は基本的に健全であり,必要なのは,それらをよリー致させることによって「移り気なJ要素を除去することである というように議論を進めている。

評 価
このアプローチの評価は,多様である
1.多重回帰関数の形は任意であり,狭い範囲にわたる過去の決定の回帰分析は,誤った結論を導くかもしれない。

2.適合度検定は自滅的である この検定では,もし適合がまずければ,回帰モデルは管理者の行動パターンを十分に述べていないので棄却され, もし適合がよければモデルは採択される。しかし,適合がよければよいほど,またモデルに対する信頼が大きければ大きいほど,管理者の決定における移り気な要素はより小さくなり,それゆえに,このアプローチを使用し通して,不一致性を除去することから得られる潜在的な利益は,より小さくなる。

3.回帰モデルは,管理者または管理者グループによってなされる決定に信頼をおいている。それゆえ,人事異動はモデルを無価値とするかもしれない。

4.最後に,いま一つ大事なことを述べる。管理者がよい意思決定者であり,必要なのは,まさに彼らの行動における不一致性を取り除くことであるという基本的な仮定は,多少疑わしい,そのような哲学は,分析者は寄与が2次の大きさになるように努力すべきである,と示唆していることに等しい。それに対して,多くの人は,工企業会社の業績についてより鋭い疑間をもつべきだと信じている。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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