コラム・特集

3.2 問 題

IEハンドブック

第11部 計画と管理

第3章 総合生産計画

3.2 問 題

生産システムは,単一製品を扱う単一設備と考える。時間は離散的な期間に分割され,将来の期間に対する需要予測は与えられている 需要は確率的であり,予測と実際の需要量の間には食い違いが発生しうる。

図表11.3.3は,累積生産・需要曲線を示している。それらの垂直的な差は在庫(これは,累積需要が累積生産を超えるとき“品切れ”または品不足になる)を表わし,水平的な差は貯蔵時間(先入先出法に基づく払出しを仮定)を表わしている。

この場合を扱う生産計画に対して, 3つの可能な方略が考えられる。

1.生産計画を一定に保つこと― これは,需要変動を満足させるのに十分な在庫をもつことによって可能である.在庫水準は工場から一定のフローで供給される補充に加えて,需要パターンに従って変動するだろう この方法は生産部門によって大いに支持されている。それは,計画を簡素化し,より効率的な機械利用を保証し,よりよい管理と制御をもたらし,作業者間に雇用保証の意識を促進させるからである。しかし,平均在庫水準は高く,そのために資本を拘束し高い保管費用を伴う。

2.生産計画を変動させること一一これは,需要の変動に応じるとともに,在庫水準を一定に保つのに役立つ。この場合における在庫の目的は,生産とマーケティングの間に,安全な緩衝を用意することである。需要パターンにおけるどんな変化にも生産が追従するまでに,一定の時間遅れを伴うので,管理者は安全在庫によって,その期間の需要を満たすことができる。在庫水準は,厳密にいえば一定ではないが,その平均と変動は前の方法に比べてかなり低い。

3.2つのシステムの組合せ一一これは,総費用の最小化をもたらす 問題は,それゆえ,生産計画と在庫水準における変動量の間に,適当に均衡を達成することである。この需要変動に対する生産問題は,ネットワーク・フローとして図的に説明できる5.販売予測と生産計画は,期間ごとに分けられる ネットワークは,生産と在庫を表わす2本の線を連結する鎖からなる。ネットワークにおけるフローは,図表11.3.4において矢印で示されており(図表は第グ期の場合), そしてフローは常に正でなければならない 生産能力の一定量は,前期から生産フロー線を通って繰り越される.期間の当初では,能力を増加させたり(労働力,機械,残業,外注によって),減少させたり(労働力などを低くすることによって)することが計画できる.出カフローは在庫線に入り,そこから一定量が販売のために出ていく。単純化のために,図表11.3.4では,第J期の出力はその期末になって在庫フロー線に到達し,その期の販売量はまたその期末に出ていくことが仮定されているが,この図的モデルに対する修正は,必要なときにはいつでも容易に織り込むことができる。

ネットヮークにおけるどんな交点においても,われわれは均衡なフローをもたなければならない。すなわち,交点へのフローは,そこから出ていくフローに等しくなければならない。生産フロー線に関しては,前期末能力+増加分+減少分=出力=次期繰越能力在庫線に関しては,前期末在庫+出力=販売+次期繰越在庫 これらの規則を覚えておくと,ネットワークの(連結線分に量を付して)矢印を省略することができて,前述の3つの方略は,図表11.3.5に示されているように,より容易に図的に表わすことができる。

当面する問題は,以下のように定式化できる一T期間にわたる計画期間の任意の期間′に対する需要予測F′ が与えられているとき,期間′ (=1, 2,… ,r)の生産水準P′ と労働力″7を決定せよ。

以下の解法が, ここで顧みられる,
1.HMMS決定規則
2.DE決定規則
3.管理係数法
4.数理計画法
5.生産切換え

これらの方法を選んで考察するのには, 2つの理由がある。第1は,アプローチと前提条件における差異を説明するためで,それによって実際的状況における,それらの重要さを示すためである。第2は,これらのすべての方法が,実際の事例研究から現われていることである。すなわち,方法1はアメリカにあるベイントエ場の生産研究の結果として工夫され,方法2はイギリスとオランダの白熱電球の生産研究から生じたものであり,方法3はアメリカにおけるいくつかの研究の結果としてそれをはじめた人によって発展させられており,方法5は食物缶詰製造工場における生産計画に関連して発展させられた。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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