コラム・特集

1.2 合理的予測と直観的予測

IEハンドブック

第11部 計画と管理

第1章 技術予測

1.2 合理的予測と直観的予測

予測プロセスにおけるいくつかの要素が図表11.1.1に示してある。ここでは3つのベクトルがある一一ベクトルAは予測される問題を表わす,ベクトルBは予測に用いられる情報を表わす,ベクトルCは予測に用いられる様々な方法を表わしている すべてのベクトルは原点より発し,複雑さが増すにつれて外側へと延びていく,原点は複雑さが増していく将来の状態が発する位置を表わしている。


これらのベクトルは互いに関連している 予測されるべき問題が一般的になればなるほど,より多くの情報が必要とされる これを調整するため,趨勢についての構成概念が事象についての構成概念に取って替わり,予測に用いるデータの特殊性が価値を失うことになる 原点に近いところでは,実際のデータや知識が合理的で信頼のできる構成概念を作るもとになる。因果関係に関する知識により,事実に基づく情報は近い将来をかなりの精度で予測するのに関与じ組み込まれていく,予測されるべき問題が拡大するにつれて,必要とされるデータは指数関数的に増加し,詳細なモデルの構成を,不可能でないにしても非現実的なものにする。

このような要求を調整するために,趨勢,ベクトル,そしてそれらの結果として生ずる相互関連に基づくモデルが作用しはじめる.これらは独断的であり,あまり事実に基づかない情報を用いている。ここでは,合理的な数理モデルはあまり使われず,直観的で言語によって表現されたモデルが優勢である.問題の範囲が広がるにつれ,問題の複雑さが増し,その結果合理的理解を受け入れなくなり,管理者は予測や計画のために,過去の経験に基づいた高度に思弁的な構成概念を用いることになる。この種の構成概念は極めて直観的であり,計画者と予言者の集まりのようなものである。

以上の簡単な議論から,われわれは予測活動の範囲が研究の情報的側面とモデル作りの側面を統制すると結論できる。最も華麗で洗練された予測技法をもってしても,ある予測の要求の範囲を満たすことはできないものである。それでもなお,技術予測は多くの領域で計画者を助けている。そこで次にこの予測プロセスについて調べてみる。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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