コラム・特集

4.4 原 則

IEハンドブック

第10部 ファシリティーズ・デザイン

第4章 倉庫

4.4 原 則

システム設計の際,技術者は多くの原則とルールを用いるが,保管システム設計においても例外ではない 保管システムの設計において用いられる一般的なルールの1つは,「85%ルール」である。

これは,次のようにさまざまな形で表現される。

1.パレットラックに占められるスロットを85%以下にする計画。
2.利用されているスロットの充填率を85%以下にする計画。
3.自動倉庫システムにおける入出庫装置の利用率を,85%以下にする計画。
4.供給量と受け取り量の比を15:85にする計画。
5.ランダムに発生する保管に必要なスペースを,平均在庫水準を保管するのに必要なスペースの170%(85%の2倍)に計画する。

自分の経験に基づいて開発した原則,ルールを,他の人が利用するのは,この原則,ルールがどのように導き出されたか,どの程度役に立つか,他のケースヘの適用が可能か,などが分からないため危険である。したがって,「保管について考える場合,正確なルールというものはない」ということも1つのルールである。

Morris が述べているように,「原則は時どきそうだと認められるもので,常に適合できるとはかぎらないものである。原則は広範で複雑な経験を集約したものであるから,常識から考えて,慎重に採用していかなければならない。

盲目的に原則やルールを採用しないように,以下にガ的な原則をあげておく.これらは,Colledge Industry Committe On Material Handling Education によって開発された「マテハンの20原則」から採用したものである。

1.計画 生産,販売,流通に関する戦略的計画を支援する原材料の取り扱い,保管,管理のための戦略的計画。
2.結合システム 違うものを違うように取り扱い保管,管理するための,取り扱い,保管,管理を統合したシステムの設計。
3.原材料の流れ 原材料の入出庫,内部の流れに基づく倉庫レイアウトの設計。
4.管理 原材料に関するリアルタイムの物理的,経済的な在庫管理,経営管理が行われるシステムの設計。
5.単純化 原材料の取り扱い,保管,管理の単純化。
6.スループットの能力 倉庫におけるスループットを最大限利用するシステムの設計。
7.スペースの容量 倉庫の収容空間スペースを最大限利用するシステムの設計。
8.ユニットサイズ 取り扱い,保管される荷の数量,サイズ,重量を大きくする。
9.自動化/機械化 取り扱い,保管,管理機能の自動化。
10.設備の選択 取り扱い,保管,管理の要求も含んだ,流れの量および原材料の性質に基づいた設備の選択。
11.標準化 取り扱い,保管、管理における,方法,種類,設備のサイズの標準化。
12.適応性,順応性 需要の変化に応じた原材料の取り扱い,保管,管理について考えた建屋およびシステムの計画。
13.レイアウト/通路 取り扱い,保管,管理の必要性に応じたレイアウトと通路の長さ,幅,高さ位置の決定。
14.活用 人および設備の最大限の活用。
15.メンテナンス すべてのマテハンおよび貯蔵のための設備についての予防保全と定期修繕の計画。
16.点検 取り扱い,保管ならびに管理システムの定期点検,および生産性向上,コスト節減のために必要な部品の取り換え。
17.性能 倉庫の生産性にフィードバックを与えたり評価を行うために定期的に使われる効果測定方法を開発する。
18.監査 システムが設計された段階で,取り扱いや保管ならびに管理システムに関する監査手順の設計.そして定期的なシステム監査の遂行。
19.施設 取り扱い,保管ならびに管理システムを組み込むための施設の設計。これは保管システムの必要性に基づく天丼の高さ,間口幅などを基礎とする。
20.安全 安全な原材料の取り扱い,保管ならびに管理の計画。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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