コラム・特集

3.4 運搬機器選択に含まれる要因

IEハンドブック

第10部 ファシリティーズ・デザイン

第3章 運搬(マテハン)システム

3.4 運搬機器選択に含まれる要因

マテハン機器を選択する際にいろいろな要因が含まれる。その要因とは,機器の適切な適用と分類,選択された機器の信頼性,経済性,経営,財政,労使関係,安全性,プラントの特徴と環境などである。生産コストは,普通,直接費と間接費の割合によって変化する。

間接費の大部分はマテハンのコストで占められる。そのため,適切なマテハンシステムを選択するために, 1つのシステムと別のシステムを比較するという,経済分析を行わなければならない。工場,あるいは物流施設の運搬機器の選択に際しては以下のような点を考える必要がある。

・運搬コストを減らす
・稼動サイクルを短くする
・在庫必要物を減らす
・仕分けと出荷を早くする
・空間利用率を増やす
・流れを簡素化し作業効率を上げる
・損失とムダを減らす
・安全性の向上

究極的には,経済的要因が機器の選択を支配している。運搬機器の適性とコストは,物を運搬するのに必要な工数,資本投資の回収,直接操業費,あるいは提案された方法の間接的システム効率などのうち,どれか1つによって比較できる。ROIの計算技術とプロジェクトの経済性は,経済計算の章に述べられている。ハンドリングは,いろいろな方法で繰り返される。ハンドリングは,製作,組み立て,ピッキング,包装,保管作業を統合化している。その時々によって,動きの程度や材料の量は違っても,マテハンは3つの基本的操作から成立している。すなわち,ピッキング,移動,貯蔵である。マテハン・エンジニアが,オペレーション・コストが減らないとか工場の環境に合わないというような,高価な運搬機器を選ぶことは考えられない。エンジニアにとって,床荷重, ドア寸法,天丼の高さ,構造的強さ,消防法規,環境状況,換気問題,交通安全,エネルギー供給などが,特殊な機器を選ぶ要因となる,多くの工学的特性をチェックする必要がある。それゆえ,現存する工場のために機器を選ぶときには,特定の機器の一部が作業のために選ばれる前に,多くの設置の性質を考慮しなければならない。多くの場合2,3の方法やタイプだけが,必要な作業を成し遂げることができる。最終的な運搬機器選択のために考慮すべき要因としては,以下のものが考えられる。

・問題解決のための機器の適用
・機器の信頼度
・作業環境への機器の適用
・投資する資本について
・資本回収について
・安全性について
・作業が変化した場合の機器のフレキシビリティ
・作業者の受容度
・監督者の受容度
・訓練の複雑さ
・メンテナンスの必要性
・燃料と動力供給
・スペア部品やサービスの利用
・必要とされる補助材料

他にもたくさんの要因が,特別な場合には必要かもしれない。それらの中には,大気の状態,爆発の危険性なども含まれる。

 

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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