コラム・特集

2.7 代替レイアウト案の作成

IEハンドブック

第10部 ファシリティーズ・デザイン

第2章 プラント・レイアウト

2.7 代替レイアウト案の作成

主要アクティビティやこれと関連した援助アクティビティ,またその他のアクティビティの仕様決定のときに,各アクティビティに必要なスペースが決定され,予備的な部門レイアウトが作成される。レイアウト計画手順の次の段階は,全工場レイアウト内に,多くの部門レイアウトを形成することである。個々の部門レイアウトは,この時点で,十分統合された工場レイアウトを得るのに必要なように再検討され,変更がなされなければならない。

1950年以前のレイアウト計画者は,工場計画者が部門配置の図面を引き,各図面の長所短所を主観的に評価するものだと考えていた。このアプローチ方法は,相互関係の少ない小さな工場にとっては,たいへん適したものであった。しかし,もしレイアウト計画者が多くの相互関係を持つ,より複雑な工場のレイアウトを考える時には,レイアウト計画のより精密なアプローチ方法が要求されるのは,しごく当然である。多くの図式,あるいはコンピュータを利用したレイアウト技法が,より方法論的なアプローチ方法を用意するため,195年より開発されてきている。

グラフィックレイアウト技法

必要データ
ここで示されているグラフィックレイアウト技法に必要なデータは,部門の面積と部門間の相互関係である。部門の面積情報は,部門のサービスと必要面積シート(表10.2.12)を利用する。部門間の相互関係は,定量的なFrom―Toチャートか,定性的な相互関係図表に記録されているであろう。

おのおののグラフィックレイアウト技法を,図表10.2.22,10.2.23,10.2.24で与えられた条件をもつ工場の設計を例として説明する。

螺旋法
「螺旋法Jの目的は,隣接部門間の流れの量が最大になるように,部門を配置することにある。「螺旋法」の最初の段階は,大きい順に流れの量を順序付けることである。

図表10.2.23で与えられた例題では,順序はF―G, E―F, A―B, E―G, D一E, A―D, B―E, F― E, D―B, A―C, B―F, A一E, C―F, A―F, F―B, C一E の順になる。

「螺旋法」の次の段階は,部門の実際の配置である。この配置は2つの段階よりなる.最初の段階では,面積を考慮に入れないで行われ,その結果が工場の概略図表で表わされる。つまりこれは,流れの順序付けにより示された順序で,部門をレイアウトするわけである。部門は,図形で示された概略図中に配置される。この例題では,レイアウトされる最初の2つの部門はFとGである。そしてこれらは,図表10.2.25(a)で示されるように,互いに隣接して配置される。2番目に流れの量が多いのは部門EとF間である。ゆえに,次に配置されるのは部門Eである。部門Eに関する材料の流れの順序を評価することにより,部門Eは部門FとG両方と組み合わされるべきである。そこで,この結果として,概略図は図表10.2.25(b)のようになる。

次に重要な物の流れは,部門AとB間のものである。そこで部門A,Bが次に配置される。From―Toチャートによれば,部門Aは部門Bと比べた場合,部門E,Fとの相互関係は強くない(A―Eは10回/週,A―Fは5回/週)。そこで,図表10.2.25(c)で示されるような概略図が作られる。順序づけに従うと,次の部門Dが配置され,最後に部門Cが配置される。From―Toチャートに示されるように,部門Dが部門A,B,Eと隣接するため,図表10.2.25(d)で示されるように部門Dを配置する。最終的な概略図では,部門Cは図表10.2.25(e)に示されるように配置される。

部門配置の次の段階は,実際に必要な部門の面積を考え,概略図に面積を付加することで完成される。例題のレイアウトは,図表10.2.25(e)に示された最終の概略図に,図表10.2.22で示された部門の必要面積を付加することで得られる。図表10.2.26で示されたレイアウトがその結果である。

多くの代替案が,材料の流れの順序付けを変更せずに「螺旋法Jを使用することで得られる.代替案は,隣接しない部門の流れの量を,工場内の総流れ量で害1った値で評価される。
図表10.2.26で示された結果において,隣接しない部門間の流れは,A―E ,A―F ,C―Eであり,その流れの量の合計は20回/週である。総流れ量はFrom―Toチャートの各欄の値を合計することで得られ,この例題では,425回/週という値である。ゆえに図表10.2.26で示された結果の非隣接物流率は5%(20/435)である。


「螺旋法」は,工場内の流れを視覚化するよい方法である。しかし,結果を改善していくシステム的な手順がなく,その結果として,最終案の質は,工場計画者の発想と根気に依存している。

移動図表法
移動図表法の目的は,移動の距離と移動量の積の最小化である。この積はFrom―Toチャートで与えられる流れの量と,距離行列で与えられる移動の出発点と終点の間の距離との積であり,「量・距離の積」と呼ばれる。

移動図表法の最初の段階は,初期レイアウトを確立することである。これは,「螺旋法」の結果あるいは直感に基づくだろう。例題の初期レイアウトは,図表10.2.27に示されている。この初期レイアウトが確立されたなら,全べての流れの経路の距離が決定されねばならない。これらの距離は,流れの実際の出発点と終点が分からないので決定するのが難しい。

そこで,流れが部門の中央あるいは中心を出発し,到着するという仮定がよく用いられる。これらの出発点と終点の間の流れの経路は,垂直な通路に沿って流れるという仮定がよく用いられる。ゆえに,流れの経路の距離は,部門の中心間の直線の経路と仮定される。ゆえに,移動図表法の次の段階は,全部門の中心の決定と中心間の全移動直線距離の計算である。この距離の値は,距離行列に記入される。この例題では,初期レイアウトの距離行列は図表10.2.28に示されている。

移動図表法の次の段階は,移動図表を得るために,流れの量(From―Toチャート)と流れの経路(距離行列)を掛けることである。移動図表の各欄の合計は,初期レイアウトの量と距離の積である。この例題におけるFrom―Toチャートと距離行列の積は,図表10.2.29の移動図表に示されている。

移動図表法の最後の段階は,(量×距離)が小さくなるような代替案の作成である。(量×距離)の積を小さくするには,移動図表で最大の要素を持つ部門の,中心間の直線距離が短縮されるようにする。この段階は,(量×距離)をより小さくできるレイアウト案が見つけられなくなり,最小の(量×距離)の値を持つレイアウトが発見されるまで繰り返して行われる。

この例題(図表10.2.29)の移動図表は,部門Eの中心を動かして,部門F,Gの中心に近づけることで,図表10.2.27で示されたレイアウトの代替案を作成するという結果を下す。代替レイアウト案は,最大の移動図表のE―F, F一G欄を小さくすることが予想される。この手順の繰り返しは,最初の方法と同じものが使われる。

移動図表法は,代替案を評価したり,レイアウト改良の方法を決定するのによい技法である。すべての流れが部門の中心を出発,到着点とするという仮定には限界があるので,実際的なレイアウトの開発を確実なものにするためには,さらに継続して考えていく必要がある.移動図表法は設計者の能力に依存しており,現実的な大きさの工場では複雑となる。

相互関係図法
相互関係図法は,相互関係図表で明確になった近接性の相互関係の要求を最小にする目的で,一般に数多くのレイアウトを使用する組織的なアプローチと同一のものである。相互関係図法には2つの段階がある。最初の段階は,部門の相対的な配置を決定することで,第2段階は,実際のレイアウトを開発することである。

<段階1>
部門の相対的な配置を決定するときは,部門の面積を考慮に入れずに行う.すべての部門は,同じ形で同じ大きさのプロック・テンプレートで表現される。これらの各テンプレートには,部門名,部門のコード,その他すべての部門との相互関係が記入される。図表10.2.24の相互関係図表に基づき,この例題のプロック・テンプレートは,図表10.2.30のように作成される。


まず最初の手順は,相互関係「A」を一番多く持つテンプレートを選ぶことである。もし, 2つ以上のテンプレートが相互関係「A」の数を等しく持つ場合は,それらは次に示すタイブレークの体系によリー方が選択される。このタイブレークというのは,相互関係「E」の一番多いもの,あるいは相互関係「I」の一番多いもの,あるいは相互関係「X」の一番少ないものを,最終的には残ったテンプレートのうち1つをランダムに選ぶという方法である。選ばれたテンプレートはレイアウトの中央に配置される.この例題では,相互関係「A」の数の一番多いテンプレートは部門EとFである.部門FはEに比べ,相互関係「E」を多く持つので,部門Fが先のタイブレークにより選ばれ,中央に酉己置される。

次に配置されるテンプレートは,すでに選ばれたテンプレートと相互関係「A」を持っていて,しかも相互関係「A」の数の一番多いものである。もし,同じ条件のものが複数存在したなら,タイブレークを利用して1つを選ぶ、2番目に選ばれたテンプレートは,最初に選ばれたテンプレートの隣りに配置される。この例題では,テンプレートEだけが,すでに選ばれているテンプレートFと相互関係「A」を持つので,部門Eが選ばれ,テンプレートFの隣りに配置される。

次に選ばれるテンプレートは,すでに選ばれたテンプレートとの相互関係の合計が最も高いものである。相互関係の合計が最も高いということは,すでに選ばれている各テンプレートと相互関係「A」を持つものであり,その次に高いものは, 1つの相互関係だけが「E」で他はすべて「A」のものである。そしてテンプレートが選ばれるか,同じ条件のものが存在する(この場合,タイブレークの考えが使用される)まで,相互関係合計の体系が,この方法に従って継続される。

ここで選ばれたテンプレートは,これと近接性の高い相互関係を持つテンプレートに,可能な限り近く配置されるべきである。この例題では,テンプレートE,Fと最も高い相互関係を持つテンプレートはGであり,相互関係は「I」と「E」である。テンプレートGとFは相互関係「E」を持ち,テンプレートGとEは相互関係が「I」なので,テンプレートGは図表10.2.31(b)に示されるように配置される。

次に選ばれるテンプレートは,すでに選ばれている複数のテンプレートとの相互関係の合計値が,もっとも高いものになるだろう。この手順は,すべてのテンプレートがレイアウトされるまで続けられる。

この例題では,テンプレートBがすでに選ばれているテンプレートE,F,Gと相互関係値I,E,Uを持っているので,これがレイアウトに加えられる.テンプレートBは,テンプレートE,Fとの相互関係がIなので,図表10.2.31(b)に示されるよう酉己置される。テンプレートBにテンプレートDが従い図表10.2.31(c)のように配置される テンプレートDにテンプレートAが従い,残ったテンプレートCは最後に配置される。図表10.2.31(d)図表10.2.31(e)に示されるよう,テンプレートAとCは配置される。

に入れ,ユニットエリア・テンプレートを使用する。最初の手順は,部門面積を整数倍に分害1できる単位面積を選ぶことである。この分割により,各部門に必要な単位面積テンプレートの数が明らかになる。これらのテンプレートにはおのおのの部門のコードが付けられ,分割される。テンプレートを利用したブロック・テンプレートでの最終相対的配置,さらに常識を利用することで,最終的なレイアウトが開発される。図表10.2.22を見ると,例題における適切な単位面積は,2,000平方フィート(18581m2)なのが分かる。2,000平方フィート(18581m2)の単位面積による単位面積テンプレートの数は,図表10.2.32で示される。

最終レイアウトは,工場の特別な束縛を考慮し,ブロック・テンプレートにより確立された一般的な型式を,ユニット・テンプレートに置き換えるよう試みることで決定される.最終レイアウトの試案の1つが,図表10.2.33で示されている。ブロック・テンプレートやユニット・テンプレートの配置は,主観的に行われるため,レイアウト配置や最終レイアウトに関係する,多くのブロック・テンプレートが作成される。レイアウトの評価は,A,E, I,0,U,Xといった相互関係記号に得点を割り付け,部門が隣接する場所場所に,これらおのおのの得点を評価点とすることで可能である。たとえば,図表10.2.34で与えられた得点を用いると,図表10.2.33に示されているレイアウトの評価は,図表10.2.35に示されているように計算される。

<まとめ>
相互関係図表は,レイアウトでの相互関係図や必要部門面積図を改良する系統だったアプローチである。しかし,これは部門を改善するときに,工場計画者に重要な援助を与えられるものではない。つまり,この技法の結果が設計者の工夫力と忍耐力に依存するからである。大きな問題を取り扱う場合には,各種代替案を作成するのに多大な労力を要するため,有用性が減じてしまう。

コンピュータを援用したレイアウト技法
コンピュータを援用したレイアウト技法は,部門間の流れを記録する方法とレイアウトを作成する方法に分けられる。部門間の流れは,From―Toチャートを用いて定量的に記録されるか,相互関係図表を用いて定性的に言己録されるであろう。

ここでは2つの方法について紹介することにする。1つはCRAFTと呼ばれるもので,定量的流れの入力が必要であり,もう一方のものは,CORELAPと呼ばれる定性的流れの入力が必要とされるものである。

レイアウト技法は,現存するレイアウトを改良して作成するもの(改良法)と,レイアウトを零から構築して作成するもの(初期解誘導法)がある。CRAFTは改良法であり,CORELAPは初期解誘導法である。コンピュータを援用したレイアウト技法について議論することはたやすい。これらの各技法の使用説明書を調べるか,手に入らない場合は, トンプキンスとムーアの著書で,それらの技法を習得するのに必要な項目や内容について調べるべきである。それに加え,トンプキンスとムーアの著書で,他の3技法(COFAD,PLANET,ALDEP)についても調べるべきである。

CRAFT
CRAFTは,給運搬コストを最小とするレイアウトを開発することを目的とするヒューリスティックな方法であり,ここでいう「総運搬コストJとは,距離と量の積と入力運搬コストの積として定義される。この技法は,単位距離当たりのコストという形で,入力される運搬コストを必要とする。この方法で運搬コストを入力するためには,以下に示す仮定を受け入れる必要がある。

1.運搬コストは使用機器に無関係
2.運搬コストは運搬距離と線型な関係にある

多くの状況は,上の仮定は現実にあてはまらず,運搬コストは単一の値を割り当てられる。こうして運搬コストを否定することで,CRAFTの目的は距離と量の積を最小にするという目的に帰着する。すなわち,CRAFTは,「コンピュータを援用した移動図表」として注目されるわけである。

CRAFTの手順は,初期レイアウトにおいて部門の中心を決定することより始まる。次の段階では,部門の中心間の直線距離を計算し,これらの距離を距離行列に表わす。初期レイアウトの総運搬コスト(距離と量の積)はFrom―Toチャート,運搬コスト行列と距離行列の積を計算することで決定される。

次の手順は,総運搬コストを減少させるため,同一面積のある部門あるいは共通の境界を持つ部門に対して,部門間の入れ替えを考慮することである.以下に示す入れ替えの形式が考えられる。

1.ペアの入れ替え
2.3部門の入れ替え
3.3部門の入れ替えに従ったペアの入れ替え
4.ペアの入れ替えに従った3部門のス、れ替え
5.ペアあるいは3部門の入れ替えの最良のもの

運搬コストは,各部門間の入れ替えごとに計算する。総運搬コストを最も減少させうる部門間の入れ替えがレイアウト上で行われる。CRAFTでは,この新しいレイアウトに対して部門間の入れ替えを考え,これらの入れ替えに対し総運搬コストを計算し,これを最も減少させうる入れ替えが繰り返される。この手順は,運搬コストを減少させるレイアウトの入れ替えが見つけられなくなるまで続けられる。そして,このレイアウトはその時点で完成する。

CRAFTの使用者は,技法の流ればかりでなく,ダミー部門を使用するということに注目すべきである。CRAFTは,初期レイアウトから多くの繰り返しを経て,最終レイアウトまでの改良の流れに従って最終レイアウトを作成するので,最終レイアウトは,初期レイアウトに依存しているのが分かる そこで,数種の初期レイアウト案を利用して, ヒューリスティックな技法の欠点を補う。

ダミー部門は,他の部門とまったく関係を持っていないが特別な面積を含む部門である ダミー部門は,次に示す目的に利用される。

1.建物の凹凸を埋めるため。
2.工場内で部門が配置できない場所,たとえば階段,エレベーター,プラントサービス,休憩室など固定空間を表わすため。
3.最終レイアウトで通路の配置を検討する援助として。

ダミー部門の最初の2つの効用は,すべての設備が長方形あるいは正方形であり,内部に無効スペースのないというCRAFTの前提条件による ダミー部門の3番目の効用は,工場計画者に対し,一般に利用可能なレイアウトを検討するのにCRAFTを使用させる。初期レイアウト案に,外壁で固定されたさまさまなダミー部門を含ませることにより,これらのダミー部門は後に,多くの通路を表わし,通路を決定するために使用される。まれにCRAFTで作成された部門形状を変更することで,最終レイアウトにおいて要求される直線的で障害物のない通路について検討できる。部門形状を変更し,部門に特定の面積を割付け,通路を表わすためレイアウトにダミーを設けることで,CRAFTは現実のレイアウトに対し,計算機で作られたレイアウトを利用できるようにした。

CORELAP
相互関係図は,前述したようにレイアウト中の相互関係図表の情報を使用する方法である.10部門を持つ問題では,45組の相互関係が存在するので,相互関係図は有効に使用される。
しかし,45も部門がある場合には相互関係が1,000組も存在するため,相互関係図の使用は困難となる。CORELAPは相互関係図と同様のタイプの問題を取り扱い,大きな問題も容易に扱える。CORELAPで必要な入カデータは,相互関係図で必要なものと同じである。CORELAPは,各部門に対する近接性評価値の合計(TCR)を計算することで,工場レイアウトを構築する手順が始まる。ここでいうTCRとは, 1つの部門とその他の部門間に,近接性の相互関係(A=6,E=5, I=4,O=3,U=2,X=1)を割り付けた数値の合計である 最高のTCR値を持つ部門がレイアウトの中心に置かれる。もし,最高のTCR値を持つ部門が複数存在するなら,タイブレークの規則を利用する。つまり,最大の面積を持つ部門,あるいは部門番号の小さいものを選ぶ。

次の段階では相互関係図が調べられ,もしすでに選ばれた部門との相互関係が,Aである部門が見つかったなら,その部門がレイアウトの中に組み込まれる.もしこのような部門が存在しないならば,相互関係図で相互関係がEであるものが,次いでI, …という順で調べられる。もし,2つ以上の部門が,すでに選択された部門と同じ相互関係を持っている場合には,最高のTCR値を持つ部門が選ばれる.また同じTCR値の部門が存在したなら,タイブレークの規則が使用される。

レイアウトに組み込む3番目の部門は,相互関係をみて,もし最初に選ばれた部門との相互関係がAであり,まだ選ばれていない部門が存在するかどうか調べることで決定される。もし,こういったものがあれば,この部門がレイアウト中に組み込まれる。もし同じ条件のものがあれば,TCR値とタイブレークの規則が使われる。

2番目に選ばれた部門との相互関係Aであり,まだ選ばれていない部門が存在しなければ,この手順は相互関係E, I, ……の順で考えていく。もし同じ条件のものがあれば,TCR値とタイブレークが使用される。3番目に選ばれた部門が調査に含まれることを除き,同様の手順が,4番目の部門をレイアウトに組み込むのにも使われる。この手順は,すべての部門がレイアウトに組み込まれるまで継続される。

ある部門がレイアウトに組み込まれるために選択されると,その部門をどこに配置するかという決定を下す必要がある。この決定は,部門の有効な配置を行うための配置評価値の計算により行われる。ここでいう配置評価値とは,レイアウトに組み込まれる部門とその近隣との間の,重み付け近接性評価値の合計である。具体的に,図表10.2.36(a)で部門1と7よりなるレイアウトについて考える。もし,部門2が次にレイアウトに組み込まれるとして,それが部門1と相互関係A,部門7と相互関係Eを持ち,相互関係Aの重みが64,Eの重みが16ならば,配置評価値は図表10.2.36(b)~ (d)で示されるようになる。


もし配置評価値の同じものが生じたら,同条件の配置の境界の長さが比較される.境界の長さとは,レイアウトに組み込まれる部門が,隣接する部門と共有する単位正方形の辺の数である。図表10.2.36(b)(c)は境界の長さが2,図表10.2.36(b)では3である レイアウト内に部門を配置することにより,COREI,APは,水品のように中心から外に成長することで,レイアウトを作成する。

CORELAPによる最終レイアウトが完成すると,CORELAPは,次式で定義されたレイアウトの得点を計算し,レイアウト案の評価を行う。

〔レイアウトの得点〕= ∑すべての部門〔近接性の数値評価〕×〔最短経路の長さ〕

CRAFTにおいては,部門間の中心間を距離として使用するのに対し,CORELAPでは部門間の最短直線距離を使用する。各部門が, レイアウトの隣接する他の部門に最も近い側に発送・受入れ場所を持つと仮定することにより,最短直線距離を使っている。

CORELAPにより作成されたレイアウトを,実際に利用しようとした場合に生ずる問題は,多くの構築型のコンピュータ援用レイアウト技法に関連した問題と共通である。この問題というのは,最終レイアウトの形を,既成の建物の形にあてはめることができず,特定の部門を特定な場所に配置できないという点である。そのために,CORELAPで作成されたレイアウトは非現実な形状を持つ。すなわち,CORELAPは,主に初期レイアウトの作成に使われるべきで,最終レイアウトとして使用すべきではない。それに加え,部門間の最短直線経路は,現実的な尺度ではないので,現実の値がレイアウトの得点を修正するのに使われる。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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