コラム・特集

2.6 すべてのアクティビティ間の相互関係の決定

IEハンドブック

第10部 ファシリティーズ・デザイン

第2章 プラント・レイアウト

2.6 すべてのアクティビティ間の相互関係の決定

工場内の部門の配置は部門間の材料,人間,情報の流れをもとにして行う。配置の代替案を評価するため,流れの尺度が確立されねばならない。流れは定量的あるいは定性的方法で明確化されるだろう。定性的尺度は, 2つの部門が互いに近接する,あるいは2つの部門の重要性が互いに近接するという絶対的な必要性,あるいは2つの部門が互いに近接しないようにするといったものである。部門間を移動する材料,情報,人間の量が多い工場では,流れの定量的な尺度が,一般的に部門配置の基礎となる。逆に,部門間の材料,情報,人間の実際の移動はほとんど見られず,代わりに重要な通信や組織的な相互関係のある設備では,流れの定性的な尺度が,一般に部門配置の基礎となろう。もっとも,多くの場合,設備配置の決定には流れの定量的,定性的な両尺度を必要とし,また両方の尺度が使われるべきであろう。

定量的な相互関係
部門の相互関係では,部門間を移動する材料,情報,人間の量といったものが定量的に測定されるであろう。これらの定量的な相互関係の記入に使用される共通の方法は,From―Toチャート(図表10.2.20)である。

From―Toチャートは,同じ順序で行と列に部門を配置した正方行列である。この図表は対角線で対称ではない。つまりこれは,部門Aから部門Bへの流れの量は,部門Bから部FttAへの流れの量と普通は同じでないということである。From―Toチャートは次に示す手順で作成される。

1.必要面積表に含まれる部門とサービスをすべて含める。
2.全べての流れのパターンがカバーされるような方法で行と列に部門を配置する。
3.工場に対して,流れの量を正確に評価する尺度を確立する。もし移動させるのが,移動のし易さという面で同等なら,移動量そのものがFrom―Toチャートに記入されるであろう。 しかし,もし移動させるものが,大きさ,重量,価値,破損の危険性,形状,その他の性質において違いがある場合,チャートに記入される値が,移動量により適切に相互関係を表わすよう,適切な評価値が確立されねばならない。
4.移動させるものに対する流れの経路と,確立された流れの尺度に基づき,From―Toチャートに流れの量を記入する。

定性的な相互関係
部門の定性的な相互関係は,相互関係図表(図表10.2.21)に,近接性の相互関係値を使用することで完成されるだろう。

1.部門のサービス・必要面積シートに記入されたすべての部門を,相互関係図表に記入する。
2.相互関係図表に記入された部門の長あるいは,すべての部門に責任のある管理者に,インタビューするか調査を行う。
3.近接性の相互関係を割り付けるための規準を定義し,明確化し,相互関係図表に相互関係値の理由とその規準を記入する。
4.すべての部門の組み合わせに対して,相互関係値とその値の理由を決定する。
5.誰もが,相互関係図表を評価し,内容の変更を検討する機会を持つように,この図表の作成には,誰もが意見を述べることを許可する。

相互関係図表を作成する場合,以上の手順に従うことが最も重要なことである.もしも,ここで述べられたように,レイアウト計画者が部門内の相互関係を統合する代わりに,部門の長が,その他の部門との近接性の相互関係を割り付けることを許されるなら,矛盾が発生する定義によれば,相互関係図表は部門AとBとの相互関係の値は,部門BとAとの相互関係の値と同じであることを必要とする。もし,各部門の長により個々の相互関係の値が割り付けられたとすると,つまり,部門Aの長は部門Bとの相互関係がU(不必要)といい,一方,部門Bの長は部門Aとの相互関係が0(普通の近さ)だといった場合,矛盾が存在する。そこで,レイアウト計画者に重要な関係者からの情報を基にして,相互関係値を割り付けさせることにより,こういった矛盾を避け,また同じ関係者に最終的な結果を評価させることが最善である。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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