コラム・特集

2.4 相互関連のあるアクティビティの明確化

IEハンドブック

第10部 ファシリティーズ・デザイン

第2章 プラント・レイアウト

2.4 相互関連のあるアクティビティの明確化

多くの従属的なアクティビティには,一般的に,製品やサービスを生産する主たるアクティビティを補助することが要求される。最も一般的な相互関連のあるアクティビティには,入荷,出荷,保管,保全の機能が含まれる。保管機能のレイアウトについては第10部4章で討議する。

入荷.出荷部門
入荷部門は,すべての原材料,供給品,備品がその工場内に入る際の工場の入口,として考えられるべきである。出荷部門は完成した,あるいは販売される製品がその工場から出る際の出口として考えられるべきである。
これら2つのアクティビティの計画およびレイアウトを十分に考慮しないと,生産性の低下や顧客へのサービス不足を招く可能性がある。入荷あるいは出荷部門のためのレイアウト計画の手順の第1段階は,どんな物が入荷あるいは出荷されるかを決定することである。どんな物が入荷あるいは出荷されるか決定するのに有効な図表は,図表10.2.13に示すような入・出荷分析図表である。

この図表の7項目までには,何を,どのくらい,いつ,入荷あるいは出荷されるかといったことについての情報が含まれている。現存する工場,あるいは現存する工場と類似した目的を持っている工場では,この情報は過去の入荷報告や出荷記録から得られるだろう。新しい工場では,すべての製品の部品表や市場分析情報は,運搬単位や発注量を決定するために分析されねばならない。ひとたびこの情報が得られたなら,入・出荷分析図表の第7項目までは完成される。

この図表の第8,9項目は入・出荷している原材料に使用できる輸送車の種類の等一のために必要である。最低限,輸送車の種類,たとえば全長,全幅,全高や輸送車の荷台の高さを細かに指摘すべきである。この情報は,多くの種類や量の物を入・出荷している運送業者が使用している輸送車のタイプを調査することで得られる。この図表の最後の2つの項目は,輸送車に積み降ろしする物流機器に関係している。もし,この図表が現存する入・出荷場の情報について完備しているなら,現存の荷役機器が評価され,もしこれが満足なものなら図表に言己録される.もしこの図表が新しい作業に対し用意されるなら,物流機器の代替案は,最良の案を決定するために確認され,評価されるべきである。輸送車への上げ降ろしに必要な時間は,過去のデータやワークサンプリング,時間研究,などを用いて現存する作業から決定される。これらの方法は新しい入・出荷作業にも使用される。

入・出荷分析図表に必要なすべての情報が,入・出荷されるすべての原材料について用意されたなら,入,出荷機能は十分に明らかになる。レイアウト計画の手順における次の段階では,入・出荷部門で必要なドックの種類と数の決定が行われる。必要なドック数の決定は変数の値による。この変数にはトラックの到着間隔の平均時間, トラックヘのサービスに必要な平均時間などが含まれている。必要なドック数の決定を有効に行うための2つの分析の道具は,待ち行列とシミュレーションである。ドックの数を決定した後に,適当なドックの形状を決めなければならない。最初に考えることは,設備内の輸送車の流れである。鉄道ドックでは,鉄道レールの形状と配置が,一般に鉄道車両の流れと鉄道ドックの形状を決定する。トラックのドックを考える場合, トラックの交通パターンが分析されねばならない。トラックの出入りは, トラックがドックヘ逆戻りする必要がないように計画されるべきである。考慮すべきトラックの要因は以下の通りである。

1.両側通行路は幅24フィート(7.32m)必要である。
2.片側通行路は幅12フィート(3.66m)必要である。
3.もし歩道が車道に沿っているならば,車道から分離された幅4フィート(1.22m)の歩道が含まれるべきである。
4.両側通行路の門の広さは幅28フィート(853m)必要である。
5.片側通行路の門の広さは幅16フィート(488m)必要である。
6.もし歩イ予者も門を使うなら,6フィート(183m)広げる必要がある。
7.直角交差点はすべて最低50フィート(1524m)の半径が必要である。
8.もし可育しなら,左折が右折より容易で安全になるので,すべての交通は左回りにすべきである。
9.トラックの待機場所はドックのエプロンのそばに配置されるべきであり,与えられた時間に待機しているトラックの予測される最大の数をとめておくのに十分な広さが必要である。

これらの指針が考慮されると,工場におけるトラックの流れが決定され,90度ドックかフィンガードックかが決定される。図表10.2.14を見るとわかるように,90度ドックはより大きなエプロンの深さが必要だが,ふところの幅は少なくてすむ,90度ドックは,より大きな外部の車よせが必要だが,フィンガードックは内部の移動のための面積がより大きく必要なことがわかる。

外部スペースは内部スペースに比べ建設,保全の費用が少なくてすむので,スペースに余裕がある場合には90度ドックを利用すべきである。90度ドックに必要なスペースを図表10.2.15に示す。

もし90度ドックに必要とされるだけのエプロンの深さが用意できないならば,フィンガードックが使用される。フィンガードックを使用する場合,できるだけ大きな角度のフィンガードックを使用すべきである。フィンガードックに必要なスペースを図表10.2.16に示す。


10フィート(305m)幅のドックは,スポット・トラックに適している。しかし,アクシデントや活動時間による増加分を考えた場合,10フィート(305m)幅では不十分となってしまう.現在,容認されている幅は12フィート(366m)であるが,交通量がたいへん多くなるドックでは14フィート(427m)幅のドックがしばしば使用される。

入・出荷部門の必要スペースを決定する最後の段階では,施設の中に含まれる必要スペースを考慮する。最も重要な2つの内部スペースは緩衝と積み込みのため用意されるスペースと運搬機器のため用意される。緩衝として利用されるのは,運ばれてきた原材料が片づけられるまで置かれている入荷場の中の場所である。もし作業の手順が,受け取ると直ちに品を倉庫,検査場あるいはその品を要求している部門に運ぶことになっている場合,緩衝のための場所は必要ない。もし手順が輸送車から原料を降ろし,それを保管場所に置くというものなら,この品を貯蔵する場所を考える必要がある。同様に積み込み場は,品が置かれて,輸送車に積み込まれる前にチェックされる出荷場内の場所である。もし,品が倉庫から引き出され,直接輸送車に積み込まれるなら積み込み場所は必要ない。緩衝や積み込み場所に必要なスペースは,これらの場所に貯蔵される品と輸送車を置くのに必要な場所を考慮することで決められる。一般に,緩衝,積み込み場所を利用するとき,各プラットホームに対し1台の満載された輸送車に十分なスペースを割り付けるべきたけれども,時間ごとの荷上げ,荷降ろしの割合の不安定さが予想されるときは,緩衝や積み込み場所の品を輸送できる車を数台置くためのスペースを考慮しなくてはならない。輸送車を置くのに必要なスペースは,輸送車のサイズ,空間,緩衝や積み込み場所の空間によって決まる。

一般に,商品は高く積み上げられるが,しばしば輸送車より緩衝場所でより高く積み上げられる。注文のチェックが行われる積み込み場所では,逆が成り立つ。物流機器に必要なスペースは, ドックの後側と緩衝,積み込み場所の端との間の場所である。必要なスペースの総量は利用する物流機器のタイプによる(図表10.2.17)。

入・出荷計画分析の最終結果は,入。出荷部門での必要なサービスと面積の表(図表10.2.12)を組み合わせたものである。入・出荷機能の付加的な情報については,第10部4章でふれる。

保全部門
保全部門におけるレイアウト計画手順の最初の段階では,設備全体の目的と範囲が決定したときに,この部門の目的と範囲も決まる。このような決定は,用意される保全サービスのタイプと量の記述を含んでいる。

サービスのタイプと量が決定すると,これらのサービスを用意するのに必要なアクティビティとスペースは,設備全体の主要なアクティビティを明確にするのに用いたのと同じ方法で決定できる。保全計画機能の最終的結果は,保全部門のための部門のサービスと場所の必要な表(図表10.2.12)の組み合わせである。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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