コラム・特集

2.2 施設(FACILITY)の目的の定義

IEハンドブック

第10部 ファシリティーズ・デザイン

第2章 プラント・レイアウト

2.2 施設(FACILITY)の目的の定義

施設のレイアウトにおける最初の段階は,その目的を決定することである。そのために,その施設で何が行われるかを文章で提示しなければならない。異なったタイプの施設の目的の決定については図表10.2.2に示されている。この図表の要点は,目的を決定するために答えねばならない質問は次の2つであることを指摘している。

(1)何を生産するのか
(2)どのくらい生産するのか
この節の以下の部分では,これらの質問に対する答え方を述べている。

製品設計
どんな製品が生産されるべきかを述べることは製品設計について述べることにほかならない.製品設計は次の2つの質問に対する答えを要求する。

(1)どんな製品が生産されるべきか
(2)生産するためには製品の細部はどのようにするのか

最初の質問は,経営の立場で答えられるべきであり,レイアウト計画の手順を通して,変更されるべきものではない.また,使用する生産設備の管理という立場からレイアウトされた施設内で使用する詳しい装置を決定すべきである。一般に病院の経営ではその病院が提供すべき詳しいサービス(病院の製品)を決定しようと試みるべきである.

工場で生産される製品の細部の仕様は操業性と経済性の視点から検討されるだろう。多くのサービスを用意する施設,たとえば空港,図書館,銀行などでは,操作性の視点は多くのサービスを用意する必要性に関係しているまた経済性の視点はサービスを用意するための費用に関係している。たとえば,経営的に考えて病院ではX線サービスを提供すべきかを決定するだろう。サービスの仕様では病院が提供すべき育旨力を持つX線のタイプについて述べることが要求される。この決定では,多くのタイプのX線サービスの要求と,これらのサービスの用意に必要な費用とがトレードオフ関係を形成することに注意しなければならない。


製品を製造する工場については,操業性及び経済性の視点から図表10.2.3のごとくまとめられる。製品設計が美的であるか否かの考察は,消費者の好みに関係している。その目的はユニークで見栄えがよく,魅力的な製品を作ることである.製品設計の機能的考察は製品責任・信頼性と関係している。この目的は,もしそれが正確に使用されないとしても,その有用な使用期間を通して安全な方法で機能する製品を設計することである。美学的,機能的な製品設計の考察による結果は,細分化された操業上の仕様書と製品の図解説明書である。

プラント・レイアウトの目的のために, しばしば使用される図解説明書とは図表10.2.4に示すような,分解された組立て図面である。この図面の円で囲まれた数字は部品番号を表わしている。図面は縮尺されているが,一般に仕様と寸法は省略する。工場生産される構成品のための製品設計の経済的な視点は,図表10.2.3に示したように,原材料と生産についての考慮を含んでいる。これは目的として最小コストで製品を製造するという操業上の要求を含む。しばしば,VAあるいはVEとグループ。テクノロジーが用いられる.VAあるいはVEは,各構成品あるいは製品の機能とコストの相互関係を改良することで,製品の価値を改善する方法である。グループ・テクノロジーは総原材料・製造コスト最小を得るため,生産される多くの部品をグルーピングし,それを同じ方法で生産しようとするものである。原材料と製造方法などを考慮した製品設計における結果は,すべての部品の構成品のために描かれた詳しい構成部品図(図表10.2.5)の組み合わせである。これらの図面は,部品の製造ができるように詳しい仕様と寸法が記入されていなければならない。分解された組立図面と構成部品図面は,製品の設計に十分な資料を提供する。

市場分析
有効なプラント・レイアウトの手順には,その設備で生産される多くの製品やサービスの量,プロダクト・ミックス,傾向,将来の要求予測などを指摘する情報が必要である。この情報は市場開発により導かれたり,経営により承認された市場分析により獲得すべきである。最低限,市場分析は図表10.2.6に示されている情報を必要とする。

この図に示されているような市場分析情報のもつ困難さは,これらの情報すべてが確実かつ既知のものであると仮定していることにある。より望ましい市場分析は,生産量の見積もりにより成り立つであろう。残念ながら,確率的な情報は,そうたびたび利用できない。そこでプラント・レイアウトは図表10.2.6に示されている情報のタイプに基づかねばならない 既知の,あるいは確かだと仮定された情報を過度に確信しないよう注意する必要がある。量,プロダクト・ミックス,傾向,将来の要求に対する予測に加えて,図表10.2.7に示されている情報が市場分析から得られるべきである。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

関連記事一覧

2019ものづくり公開セミナーガイド

B2Bデジタルマーケティングセミナー

ものづくり人材育成ソリューション

マーケティング分野オンラインセミナー