コラム・特集

1.6 敷地選定

IEハンドブック

第10部 ファシリティーズ・デザイン

第1章 立地:単一あるいは複数の施設

1.6 敷地選定

地域が選ばれた後,特定の敷地を選択しなければならない。これは,地方不動産と事業税法のきびしい検査,下水処理,防火,公共輸送などの工場サービスの有効性,地方開発基金の有効性,地方自治体の収入税率,建設法,寸法どおりの土地と建造物を含んでいる。

これらの要因によって,適している敷地が都市であるか,副都市か,地方か,インダストリアルパークにあるのかを決定する。工場配置やレイアウト(第10部第2章参照)は,地域選択に影響され,駐車場や将来の拡張の可能性に対するスペースを必要とする。多くの地方委員会は新工業や事業所獲得への誘致条件を提供し,企業側は選ばれた地域内のすべての地方政策区分内を注意深く調査すべきである。購入,建築,賃貸は,一般的に経済性分析で決定される。その決定は,存在する設備の有効性,地方の建設費,他企業の代替的投資に関する設備の有効性に関係している。代替的敷地は,前述の順位づけ方法論によって比較検討されるが,一般に異った敷地の正確な費用の見積もりは,容易に得られる。

考慮すべき点は,鉄道の引込み線の有効利用,各州間のハイウェイ入口,空港の利用,供給者や訪問者の来訪の容易さ,交通の便などが含まれている。適度な通勤距離圏内の建物の利用率,そして,敷地に近接している労働力への適当な居住場所がが重要問題である「昼休み彼らは何をするか」といった表面的にはとるに足らない疑間への答えは,モラルや生産性に大きな影響を与える。工場の安全性と工場への往復の通勤の安全性は労働者にとって重要になってきている。工場立地を都市にするか田舎にするかといった環境への魅力は,労働者に対して重要な影響を与えている。製造工場,倉庫,小売店はこれらのすべての要因を考慮する必要があり,特に小売店には付加的問題が存在している。工場や倉庫では普通直面しないが,小売店では敷地は収入に大きく左右される。それによって,小売店敷地選定においては,敷地の周辺のいろいろな環境の変化を関数とする販売予測のいくつかの方法論が必要であり,スーパーマーケット,銀行,ファーストフードチェーン店,コンビニエンスストア,モーテルチェーンによって成功した方法など,これらを分析するために回帰分析による統計的方法がある。技法についてはここでは述べない(第13部第6章参照)が,以下にその例を示す。

実際に800の敷地をもつある大きなスーパーマーケットチェーンは,新しい敷地の提案と現存のユニットの履行の両方を評価するための方法論を探していた。それには線型回帰モデルが用いられた。

y=alxl十a2X2+ ……+anxn+b)

従属変数yは需要量(実際,いくつかの異なる分析で異なる種類の製品に対する別々な売れ行きの見積もりを行った。例えば,食料雑貨,日用品,冷凍食品,出版物,肉等)80数種の独立した変数(x1,x2, …X00 )は特定の敷地での販売を行う企業に重要な決定要因となる高度な経営観点から,その多くが互いに密接に関連しているということと,あとの残りについては販売に重要な影響を与えていないという事実が明確にされたので,20の独立変数が削減された。

次の統計的分析でこの数をさらに11まで減らした。これらには,人口密度,収入レベル,交通量,半径5マイル内の競合販売地域,駐車場数などが含まれている。データは実際の店舗の代表的なサンプルから集められ,実際の販売(種類)と研究から選択された11の環境変化の実変数(x1~x11)を含んでいる。回帰分析は,比例変数(a1~a11)と定数項bの決定に用いられる 需要量は,回帰分析から決められた各比例係数をそれぞれ掛けて,この数の総計に定数項を加えることで,敷地に対する11の独立した特定の変数の値を求め予測する。敷地に関する特別なコストは,その有効性の予測とどのくらいその敷地が適しているかを知るために決定される。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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