コラム・特集

1.1 重要性、定義、範囲

IEハンドブック

第10部 ファシリティーズ・デザイン

第1章 立地:単一あるいは複数の施設

1.1 重要性、定義、範囲

どの組織でも利益は,その工場,倉庫,小売店舗,サービスセンターなどの位置によって変化する。立地に関する決定を行うことは複雑な計画の中で極めて重要であり,それは,いくつかの他の計画活動からの影響を受け,また順次,他の計画の方針に影響を与えていく。立地は,25年間以上にわたって企業の利益に影響する典型的な長期の決定事項である。短期そして長期の需要予測は不可欠な情報であり,組織全体の計画活動の中枢である。したがって戦略的計画が存在しなければならない。それは次に規模の決定を導き,それ自ら,経済上の尺度,他の管理上の尺度の基礎となる。立地問題では,順次,最適な輸送と流通のロジスティクス活動の決定,在庫すべきものとその方針の決定,顧客へのサービスの管理などを行う。そして,これらは企業の生産性への重要な関わり合いを持ち,最終結果に大きな影響を与えるだろう。

この章は経済的活動の位置選定に対する量的,質的方法について述べられ単一あるいは複数の施設に関する立地決定技法が研究されている。その焦点は,一般的に(そのようなものばかりでないかもしれないが),原価―利益の観点から,施設の数,規模,位置を最適化するところにある。選択の際に3つのレベルが検討される。最初は,複数の地域を選択するべきである。企業がその生産,サービスを全国的な,あるいは世界的な流通として探求すると仮定すると,ここで考慮される地域は,たとえば,西海岸,南東部あるいは,ニューイングランドのような地理的地域である。地域が決定したところで,地区を選択する。たとえば,南カリフォルニア,広範囲のシカゴ,北部インディアナ,あるいはアトランタのようなものがある。地区を決定したなら,その地区内から候補地を選ばなければならない。エネルギー価格の極端な上昇,高い金利,そして限られた投下資本での激しい競争のため,進歩的な組織は,適切な地区に妥当な規模の施設を必要な数だけ持っているかを確認するために,工場―倉庫間のネットヮークを新たに見直さなければならない。この目的は,国内及び国外向けの輸送貨物費,労働費,エネルギーコスト,地方税,その他の立地に係わるコストを含んだトータル・コストを最小にすることである。一時期においては,会社・工場の建設において安い労働力,安いエネルギー,安い資金といった完全な節約が可能であったが,今日ではもう過去のものである。

輸送費の急激な上昇とともに,長期的視野を持った会社は,現存の生産ラインと需要パターンのためだけでなく,予測される変化に対する多くの代替案の影響を評価することを,今まで以上に意識づけられた。ここでの重要性は,工場や倉庫施設の立地であるが,同じような問題は,小売店や,さまさまなサービスセンターに対しても同様に重要である。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

関連記事一覧

2019ものづくり公開セミナーガイド

B2Bデジタルマーケティングセミナー

ものづくり人材育成ソリューション

マーケティング分野オンラインセミナー