コラム・特集

6.10生産能力の拡帳

IEハンドブック

第9部 エンジニアリング・エコノミー

第6章 生産の経済学

6.10生産能力の拡帳

生産育旨力の拡張を計画することは,現状の生産育旨力を超える需要を逃がすことの損失と,生産設備を拡張して規模の経済性を実現することのトレード・オフを考慮することである。ある一定の生産能力水準に必要な初期投資額は,しばしば累乗関数ksqsbで近似される。累乗bは「規模の経済性係数」と呼ばれるもので,投資費用関数の弾力性――生産有旨力の百分率変化― に等しい。この係数の0.6は化学工業でよく用いられ,「0.6乗の法則」と呼ばれている。この法則に対する物理的根拠は,円筒(設備)の面積(費用)と体積(能力)の関係にある。

需要がかなり長期にわたって毎年コンスタントに成長していく,その需要を満たそうとする生産能力の拡張計画は,図表9.6.16に示すように,一定間隔で等しい投資を行うことである。

おのおのの間隔で拡張された規模の総量は,その間に増加した需要量に等しい。いま,需要が毎年g単位ずつ成長しているとき,間隔t年で能力はgtだけ増加し,その費用はks(gt)bである。したがって, t期間の年価はks(gt)bに資本回収係数(ただし,瞬間福利で計算する)i/1-e-itを乗じたものである。

上式で明らかなように,最適間隔は費用係数ksに依存せず,また,成長率gにも依存しない。しかし,利率には逆比例する。すなわち,利率が倍になれば最適間隔は半分になり,投資計画へ継続的に投下する資金の総額は,およそ33%なくてすむ。費用の現在価値は,最適な拡張間隔のわずかな変化に対してさほど敏感でない,ということである。このような分析の応用と一般化については文献を参照されたい。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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