コラム・特集

6.2 投入の生産性

IEハンドブック

第9部 エンジニアリング・エコノミー

第6章 生産の経済学

6.2 投入の生産性

生産プロセスの産出量は使用する要素の投入量に依存する。プロセスが使用する投入の相対的効率は投入の「平均生産性J,すなわち,(産出量)/(投入量)とその「限界生産性J,すなわち,(産出量変化分)/投入量変化分とで測定する。

限界生産性と平均生産性の比は投入の「産出弾力性」であり,これは投入の百分率変化に対する,産出の百分率変化で測定する。
生産システムの分析では,投入の限界生産性は「生産関数」の偏微分に等しい。例えば,経済分析でよく用いられる生産関数はコプ。ダグラス関数であり,つぎのように定式化されている。

q=a(X1 b1)(X2 b2)… …(xm bm)
q’i=∂q/∂x1=biq/xi=biqi
ただし,
q:m種の各投入において,投入量が対のときのプロセスからの産出量
q′ i:投入グの限界生産性
qi:投入グの平均生産性

すべての投入が,お互いに同じ比率で増加すれば,生産プロセスは「生産量規模が拡大」する。投入の百分率変化に対する産出の百分率変化は「生産量規模の弾力性」と呼ばれ,これはおのおのの投入に対する産出の弾力性の総和に等しい。プロセスの「生産量規模に対する報収」が減少しているか,同じか,増加しているかは,生産量規模の弾力性が一定値より小さいか,等しいか,大きいかにおのおの対応している。すべての投入が一定の比率で増加するとき,生産量規模に対する報収が,一定の比率であるような生産関数は「線形同次関数Jと呼ばれ,次式のように表わされる。

q=ql′ xl+q2′ X2+ …+q′ mXm         (2)

このようなプロセスの例では,コブ・ダグラス関数は次式のようになる。

このプロセスの生産性の特徴は,投入が増加するにつれて限界生産性が減少することであって,経済の「収穫逓減の法則Jが成り立っている例である。線形同時のプロセスにおいては,各投入に対する産出の弾力性が0と1の間にあるときに,投入物は効率的に使用される。これを「正常生産領域」と呼ぶ。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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