コラム・特集

5.6 シミュレーション技法

IEハンドブック

第9部 エンジニアリング・エコノミー

第5章 リスク分析

5.6 シミュレーション技法

現在価値の期待値と分散を計算するための精密形式の技法は,キャッシュフローのパラメータが統計的に独立で,最初の2つの統計的モーメントが十分であるなら,有用な分析手順である。しかし,もっと複雑な状況,たとえば,キャッシュフロー・パラメータが相関関係であったり,割引率に変化があるような場合とか,計算上難しい問題が発生するような場合は,コンピュータ・シミュレーション技法がすすめられる。シミュレーション技法は,内部決定ルールをプログラムの論理にはめこんで,統計的なある局面に限定せずに,すべての結果を出してくれる。 デジタル・コンピュータ・シミュレーション・モデルのこれらの追加された能力は,この方法をもっとも実践しやすい分析方法にしてくれている。

しかし,シミュレーション技法は,いくつかの欠点を有している。代表的なものとして,コンピュータ・シミュレーションは,精密形式の技法より,もっと分析の労力が必要で,費用も多くかかる。そして,適当なソフトウエアを援用し,適当なデジタル・コンピュータを活用しなければならない.しかし,新しいコンピュータ言語と低いコンピュータ費用によって,これらの欠点は徐々に,取り上げるほどのものでなくなってきている。シミュレーション技法の新たな欠点は,シミュレーションにおいて,設定しなければならない仮定を,容易に識別できないということである。これらの仮定は,見つけるのが大変困難で,適切な検討をしないと誤った結論を受け入れることになる。したがって,この欠点を最小にしたいならば,ファイルされたプログラム論理の適用を行う前に,十分検討すべきである。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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