コラム・特集

5.1 はじめに

IEハンドブック

第9部 エンジニアリング・エコノミー

第5章 リスク分析

5.1 はじめに

将来に関するプロジェクトについて決定を下すときには,このハンドブックの他の章で述べているように,経済的に立証されていることが必要である。これらの章に示されている立証するための種々の分析手法では,プロジェクト(ないし代替案)の各要素のキャッシュフロー(現金流出入)が既知で,かつ,確定している,と仮定している。しかし,たいていの場合,これらのキャッシュフローは推定されたものであり,不確実性はこの推定の過程で生ずる。しかも,キャッシュフローの各要素の不確実性には違いがあり,その中のいくつかは,経済的評価基準に大きな影響を及ばしている。このように,キャッシュフローの時点や額の不確実性が,重大な影響を及ぼすことがはっきりしている場合には,経済性分析に対して新たな方法論や概念が必要となる.この方法論と概念が本章の中心課題である。

キャッシュフローの額と時点の推定により生ずる不確実性には,多くの要因がある.搬送や工事の遅れ,新プロジェクトの予期せぬネック,インフレーションや景気後退の圧力,労使交渉,研究開発問題等は収入支出の額や時点に影響を与える変化の一例にすぎない。一般にプロジェクトの初期段階に,これらのことがよくあることが分かっていても,実際のキャッシュフローが不確実であるので,その結果,プロジェクトの現在価値や「効果/費用」比,または他の経済価値の評価にはリスクが伴うのである。この経済的リスクは,意思決定者にとっては他の経済性分析と同様に重要であるから,リスクに関する明瞭な情報を,分析の一部分として議論を深めておく必要がある。本章では,この分析の方式と,いくつかの適切な手法について述べる。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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