コラム・特集

3.2 時間換算係数

IEハンドブック

第9部 エンジニアリング・エコノミー

第3章 割引率法による価値換算法

3.2 時間換算係数

時間換算の公式はある時点のキャッシュフローを別の時点での等価のキャッシュフローに変換するメカニズムをもっている。

単利計算
各期の利息の額Iは元本Pに利子率iを掛けることによって得られるという考え方である。

n期後の累計価値Fnは,

Fn=P(1+in) 

である。単利計算はエンジニアリング・エコノミーではi=10%,n=9年のとき,現在の1,200ドルは次のよほとんど使われていない。

複利計算
各期の利息の額は元利合計の累計値に利子率を掛けることによって得られる。現在のPのn期後の価値は、

Fn=P(1+i)n

である。

複利換算係数(離散的キャッシュフロー、離散的複利計算の場合)

記号を以下のように定義する.

i=計算利率 
n=期間 
A=毎期均等の期末払いの価値(年価) 
F=将来の価値(終価) 
P=現在の価値(現価)

この節での換算係数は期末払いタイプの離散的なキャッシュフローに適用される。図表9.3.1にそれぞれの係数と記号が示してある。各係数の数値は章末にあげた文献中の数表を参照されたい。

現価係数
この係数は利子率iのとき,n期後の価値Fと等価な現在の価値Pを求める場合に用いられる。たとえば,i=10%, n=9年のときの9年後の価値2,829ドルの現在の価値は次のようになる。

年金終価係数
この係数は利子率i,期間nのとき,毎期末均等払いの価値Aのn期後の累積価値Fを求める場合に用いられる。 たとえば, i=12%, n=6年,A=$800のときのFは次のようになる。

 

減債基金係数
この係数は利子率1,期間nのとき,n期後の価値Fを得るのに必要な毎期末均等の積立額Aを求める場合に用いられる。たとえば,20年後に120万ドルの社債を償還するために1=7%で毎年末に積み立てなければならない均等額Aは次のようになる。

 

資本回収係数
この係数は利子率i,期間nのとき,現在価値Pと等価な毎期末均等額Aを求める場合に用いられる。たとえば, i=25%のとき, 120,000ドルの機械を購入すると毎期の製造費用は8年間にわたってどの程度節減されなければならないか,という問題を考えると,節減額は次のようになる。

年金現価係数
この係数は利子率1,期間nのとき,毎期末均等払いの金額Aと等価な現在価値Pを求める場合に用いられる。たとえば, i=9%, n=30年,A=50,000ドルのときの現価Pは次のようになる。

年価への等差型変換係数
毎期の支払額が均等ではなく,インフレーションによって増加していく場合を考える。もし,増加額が毎期Gずつ増加していく場合には,等差型キャッシュフローを均等のキャッシュフローに変換する特別の変換係数がある。次の図は4期間の例である。

たとえば, i=20%,n=5年で,初年度が1,000ドル,以後150ドルずつ増加するキャッシュフローは次のようにして均等額Aのキャッシュフローに変換される。

ここで,Agは等差型キャッシュフローの中の各期に共通の部分(この例では1,000)である.前述の4期の例ではAg=0である。

現価への等差型変換係数
この係数は利子率i,期間nのとき,増分Gで増加しているキャッシュフローを現在価値Pに変換する場合に用いられる。たとえば,寿命5年の機械の操業費用が初年度1,000ドルで,以後150ドルずつ増加する場め現在価値は, i=20%とすると次のようになる。

複利換算係数(離散的キャッシュフロー,連続的複利計算の場合)
キャッシュフローは1期ごとに生じるが,複利計算は1期間の中で連続的に行われるような場合は,er=1+iの関係式を図表9.3.1の中の各係数の対応する部分に適用すればよい。その結果は図表9.3.2のようになる。なお,等比型変換係数におけるC%はキャッシュフローの1期当りの上昇率である。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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