コラム・特集

2.3  4種類のコスト見積り

IEハンドブック

第9部 エンジニアリング・エコノミー

第2章 コストの見積り

2.3  4種類のコスト見積り

オペレーションにおけるコスト見積り
オペレーションにおけるコスト見積りは,主に直接原価の推定である.ここで直接原価というのは直接労務費と直接材料費をさしている。もし製品が玩具,ラジオ,建物といったものであれば.作業者.機械.工具に関連したコストのことである。この場合, 1人の作業者が何台かの機械を同時に受け持つケースとか,クルー作業といった特殊なケースも考えられる。また作業者も熟練工,職人,見習い等といろいろに分類できる。どこまでを直接費としてとらえるかは,はっきりした分類の基準がなく,たとえば兵器システムを作るために技術者が作業に携わったとすれば,これは直接費になる.また部品加工を行う旋盤工,建築中のビルで配線工事を行う電気工の労務費は直接費である。

製品コストの見積り
製品コストの見積りは,構成部品や組立コスト等一部分のコストの推定ではなく,その製品釘権)コスト(いわゆる全部原価)を推定することである。たとえばモデル1を多少設計変更してモデル2を作るような場合,モデル1のコスト見積りに仕様変更に必要なコストの調整分を加えてやれば,モデル2のコスト見積りになる.量産品でない橋,タービン,飛行機等のコスト見積りには,過去の実績値をもとにその値を修正してやればよいし,家とかアパートの建築では外見や内装が異なっていても共通したコスト部分がかなりあるので,若干の調整を加えることによってコスト見積りができる。

プロジェクト・コストの見積り
ここでプロジェクト・コストというのは,ただ一度の製造や建設等に必要なコストで,投資額に相当する.例としては,製錬所やプラントの建設,タービン,橋,飛行機の製作で,新しいものを1つだけ作るといった場合のコストの推定である。プロジェクト・コストの見積り法は独自の手法もあるが,オペレーション・コストや
製品コストの見積りを参考にする場合が多い。NCマシンの工具を製造するある工場が品種をおゝやす計画をしている場合,これを製品コストの見積りとみて分析することもできるし,また新たに購入するNCマシンだけをみれば,プロジェクト・コストの見積りとみることもできる。

システム・コストの見積り
システム・コストは前述の3つのいずれのコストも含んでいる。システム・コストの一例として鉄道システムを考えると,路線の確保や線路の敷設はプロジェクト・コストであり,車両は製品コスト,そして運転手や工具に関するコストはオペレーション・コストになる。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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