コラム・特集

5.7 信頼性の測定

IEハンドブック

第8部 品質保証

第5章 信頼性と保全性

5.7 信頼性の測定

信頼性の測定技術というのは,システムのライフサイクルを通してシステムの信頼性を測り,予測し,評価する際に,共通に使われるものである。信頼性の測定システムの2つの主な要素は,テスト施行計画とデータ・システムである。テスト施行計画は,そのライフサイクル(寿命)を通して,いつも作っていかなければならないし,そのテストを行うことによって,システムのライフサイクルの色々な段階で,信頼性の目標が満たされていることを保証していかなければならない。

全段階を通じて生成されるデータを集める手順は,後でどのデータが何を表わすのかきちんと分かるため,およびデータ・プロセシング・システムの中に一緒にしていけるように十分詳しく文書化されていなければならない。

テスト施行計画
図表8.5.5は,設計,開発,製造,そしてフィールドでの稼動という,システムのライフサイクルにおいて使われる色々なテストを書いたものである。これらのテストについて,簡単に説明してみよう。

 

設計サポート・テスト

これらのテストは,システムのパフォーマンスやその他の信頼性設計上の基準を満たすために,部品,材料,そして要素を評価したり,満たすべき条件を決めるのに使われる。主要な目的は,次のようなものである。

・部品のアプリケーション・データ作り
・部品の評価
・部品の資格作り
・部品の比較評価
・購入先のコントロール

設計ベリフィケーション・テスト
これらのテストは,設計上の機能が十分なものであることを確かめたり,前もって行われた予測や故障モード分析や影響分析を使って,提案された設計の中にあるかもしれない,高い危険域や信頼性の問題を明らかにするのに使われる.設計ベリフィケーション・テストは,次のような設計段階において欠くことのできない機能を満たす。

・分析的テスト
・機能の評価
・部品や材料の限定
・予備的信頼性テスト

 

設計承認テスト
これらのテストは,その設計が要求される信頼性のレベルを満たしていることを示すために使われる。だから,信頼性をみるテストは,設計の承認において絶対に行わなくてはならないと考えられる.テストに関する必要条件は,次のようなものである。

1.タイプ1およびタイプ2の誤差,信頼性限界といった意思決定上のリスクとか,信頼性の許容レベルを設定する。

2.テスト条件を設定する。

3.具体的なテスト計画を設定する。

a.MTBFテスト
b.ミッション信頼性テスト
c.アベイラビリティ・テスト

4.“故障”や採点基準を設定する。

a.システムの故障
b.ミッションの故障
c.メンテナンス活動(費用を請求できるもの,できないもの)
d.重要度を決める要因

5.サンプルの大きさを決める。

技術的な評価のテスト
これらのテストは,試作モデルの技術的な適合性を評価するのに使われる.前に行われている設計承認テストによって,問題がないことが分かっているなら,技術的な評価と実用評価テストを一緒にするほうが,実用的であることもある。

製造承認テスト
これらのテストは,りF常に重要なインタフェース,部品,そして材料品質について,製造時のコントロールを確実にできるようにするために,個々の品目について製造を認めるかどうかを決めるのに使われる 重要な信頼性の劣化へとつながるような製造作業は,注意して調べなくてはならない。

フィールド・テスト
製品が実際の現場で使われる間,これらのテストや評価手川贋は,信頼性や品質を連続的に評価していくためのものである。

テスト手順
すべてのテスト手順には,次のような要素を考えなければならない。

1.テストの目的
2.テスト項目一種類とサンプルの選択
3.テストをモニターする手順と検査手順
4.テスト器具の必要条件
5.テスト器具のキャリブレーション(調整)手順
6.テスト器具の検査
7.使うべき環境条件
8.使用条件
9.テスト・ポイントの確認
10.故障や採点基準の定義
11.テストを行う手順
12.テスト報告の手続きと文書作成

信頼性の推定
信頼性測定テストは,システムとか個々の品物が属する母集団の信頼性を推定するのに使われる。パラメトリックやノンパラメトリック推定が使われる.パラメトリック推定は,対象となるシステム特性を表わす分布が分かっているか仮定し,それに基づいてなされ,パラメータとは分布の形を表わす定数である.ノンパラメトリック推定は,もとになる確率分布の性質を仮定しないで行われるが,一般にパラメトリック推定ほど効率的ではない。

ノンパラメトリック信頼性推定値は,ある指定されたテスト区間のみに適用でき,その区間外での外挿は不可能である。しばしば使われるタイプのパラメトリック推定には,次のような3種類がある。

1.点推定― 信頼性測定の一点推定
2.区間推定― そのパラメータの真の値を含むと考えられる区間の推定
3.分布推定― 信頼性分布のパラメータの推定

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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