コラム・特集

5.6  ヒューマン・ファクター

IEハンドブック

第8部 品質保証

第5章 信頼性と保全性

5.6 ヒューマン・ファクター

すべてのシステムは,人間の人間による人間のためのものである。ゆえに,ヒューマン・ファクターは,システムの設計過程において積極的に入り込んでくるものであるから,システムの有用性を増加させるようなトレードオフを決めるために,安全性,信頼性,保全性,およびその他のシステム・パラメータとバランスをとらなければならない。対象システムと人間のインタラクションは,次のものからなる。

1.システムの設計や製造
2.システムを動かす人(オペレーター)と修理担当者
3.システムの動きを決める要素としてのオペレーターと修理担当者

マン・マシン間のインタフェースは(人間と機械の)役割の分担,自動化,アクセス可能性,人間の行う仕事,アトレスの特性,人間に提示される情報,そしてこのような情報に基づく意思決定と合わせ,こういったインタフェース自体の信頼性といった色々な局面から構成される。システムの人間と機械の要素の両方がうまくいかなくて,その失敗がシステムの成績にさまざまな影響を与える。人間によるエラーが全システムを故障させたり,このような故障の危険を増やすこともある。ヒューマン・ファクターは,システムの設計や根本的な信頼性に強い影響を及ぼす。人間の仕事成績の信頼性予測の方法に関する結果のサマリーは,Meisterの論文にのっている。信頼性もヒューマン・ファクターも,システムの有用性を予測したり,測ったり,改良したりするのが関心事である マン・マシン間のインタフェースが複雑なとき,月間によるエラーの可能性が増加する。この結果として,システムの故障の確率も増加することになる。

ヒューマン・ファクター/信頼性/保全性の関係において興味のある事実は,システムの信頼性/保全性というのがシステムの故障の発見と修正に依存しているということである。一般にこの仕事は人間によって実行されている。だから,システムの稼動成績は,人間の反応によって上がったり下がったりする。

人間の信頼性の特性の数量化,人間の仕事成績の数量化の方法作り,エラーの予測,コントロール,そして測定に関しては,MeisterやO′Connelがその論文中で議論している。

システムの信頼性は,人間,機械に,システムの機能をどう配分するかによって影響される。人間のほうが優れていると思われる特徴としては,次のようなものがある。

1.ある種のエネルギーを感知する能力
2.ある限定された変域の中で,数多い種類の刺激を感じとる感度
3.大きな騒音のある環境で,シグナルやパターンを検知する能力
4.長期間,多量の情報をたくわえ,関係のある事実を思い出せる能力
5.経験から学なぶ能力
6.判断を働かせる能力
7.融通性のある羽順をその場で作り,使っていく能力
8.問題に対し,これまでと全く違う新しい解を得る育ヒラリ
9.低い確率でしか起きないとか,予期しない事象を扱える能力
10.細かい操作や作業を実行する能力
11.直観的に推論する能力

機械のほうが優れていると思われる特徴としては,次のようなものがある。

1.計算能力
2.決まりきった繰り返し作業を,正確に実行すること
3.コントロール・シグナルに素早く反応すること
4.円滑かつ正確に,大量の色々な力を働かせる能力
5.短期間に多量のデータをたくわえたり,呼び出したりする能力
6.演繹的に推論する能力
7.外部からの外乱要因に鈍感であること
8.一度に複数作業をしなくてはならないかなり複雑な操作をやってのける能力

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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