コラム・特集

3.10 ロット受入抜取り検査方式――計数型

IEハンドブック

第8部 品質保証

第3章 品質管理

3.10 ロット受入抜取り検査方式――計数型

1回抜取り方式
受入抜取り検査において,いくつかの物をひとまとめにした“ロット”を合格とするか,不合格とするかの判定は,ロットから取ったサンプルを検査することによって行われる。多くの場合,抜取りは経済的に有利であるというのは,ロット全体の検査は費用がかかりすぎるからである。検査をすることが破壊をともなうような場合には,抜取りが必要となる。

1回抜取り方式では,サンプルの大きさnと受入判定個数Cの値を指定する。もし,サンプル中に不良として観測された数がCを超えていないなら,そのロットは合格したと考える。もし観測された不良単位数がCを超えてしまう場合は,そのロットは不合格とされる。この受入抜取り方式の特性は,通常,検査特性(OC)曲線によって表わされる。

この曲線は,ロットあるいは工程の不良率に相対して,ロットが合格する確率がプロットされているグラフである。1つのロットについてそれだけ取り出して考えた場合のAタイプのOC曲線と,ある工程からランダムに取り出したいくつかのロットについて考えたBタイプOC曲線とに区別して考えると,役に立つことが多い この章では,上記のような区別はせず,すべてのOC曲線はタイプBのものである。1つのOC曲線が,図表8.3.4に表わされている。


その図表において,AQLとは合格品質水準を意味する。すなわち,この水準においては製品不良率が十分に低く,抜取り検査を計画する際に,このレベルのロットをほとんどの場合,合格させるようにしなければならない。

抜取り検査方式において,このレベルの不良率をもつ製品が不合格となる割合(確率)は,生産者危険と呼ばれ,αによって表わされるLQLなるシンボルは限度品質水準を意味する。すなわち,この水準においては,製品不良率が十分大きいため抜取り方式においては,このレベルの製品を合格させることがあまりあってはいけない。この割合(あるいは確率)は,消費者危険と呼ばれ,βによって表わされる。

抜取り方式を設計したり,いくつかの方式から1方式を選択する場合,標準的な方法は,抜取りと検査の費用や,不良製品を合格させる費用,あるいは良い製品を不合格にする費用をもとにα,β ,AQL,およびQLの値を指定することである。最近の研究は,最適化,すなわち,期待出荷品質レベルと品質保証の期待費用との最適組み合わせが得られる抜取り方式の設計にむけられている。

2回抜取り方式
抜取りと検査の費用の面において,2回抜取り方式は,対応する1回抜取り方式よりも費用がかなり安くなる。

このやり方では,n1,n2,C1,C2およびC3(ただし,C1<C2かつC2<C3)という5つの数値を指定しなくてはならない。もし1ロットから取ったnl個のサンプル中の不良単位数がCl以下の場合には,そのロットは合格とされる。もし不良単位数がClは超えるがC2は超えない場合には,大きさn2なる2回目のサンプルがとられる。その合計したサンプル中の不良単位数がC3,あるいはそれ以下である場合は,そのロットは合格とされる。さもなければ,そのロットは不合格とされる.多くの場合,C2の値はC3の値と同じにとられる。

これに相当する1回抜取り方式に対し,費用の節約は2つの原因により生ずる(相当する方式とは,そのAQL,LQL,およびβの値が本質的に同等のものである).まず第1に,2回抜取り方式におけるnlは,1回抜取り方式におけるnよりも小さいので,そのロットが最初のサンプルを基にして合格するか,あるいは不合格となる場合は,いつも検査量は小さい。第2に,2回目のサンプルを検査し,そのロットを不合格とする場合は,省略検査を使うことができる。

すなわち,C3を超えてしまったなら検査をすぐにやめるということである。 これらの相互関係は,いかなる特定の抜取り検査に関係なく,図表8.3.5に平均検査個数は,n1とn1+n2の重みつき平均である.ただし,重みつきとは, 1回抜取りのみ必要である確率と2回抜取りが必要である確率である。これらの確率は,製品の不良率の関数である。

逐次抜取り方式
ロットから,一度に1つずつ取り出して検査する場合,その方法は,各個逐次抜取りとして知られている。サンプルの大きさnと合格判定個数Cが決められているとき,nとCは整数値であるためにα,β の両方とも要求水準にぴったり合わせることは,必ずしも可能ではない。

逐次抜取りでは,サンプルが1ロットごとに変わるため,αとβを要求される値に非常に近く固定することが可能となる。それぞれの抜取りの段階において,合格判定個数と不合格判定個数があり,それは,AQL,LQL,αおよびβとして,指定した値によって決められる。不良単位数の累積数が合格判定個数に等しいか,あるいは以下である場合は,そのロットは合格する。すなわち,不良単位数の累積数が不合格判定個数に等しいか,あるいは以上である場合,そのロットは不合格となる。中間の値については,抜取りが続いて行われる。

逐次抜取りの主な利点は,検査コストが往々にして安くてすむからである。たとえば,逐次抜取り方式の平均検査個数は,それに相当する1回抜取り方式において要求されるサンプルの大きさ(固定)の半分くらいにしかならないだろうと推定されている。逐雄取り計画の作成に関する詳細については,Duncanを参照せよ。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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