コラム・特集

3.8 工程管理―測定

ĀIEハンドブック

第8部 品質保証

第3章 品質管理

3.8 工程管理―測定

X一管理図

多くの場合,不良率をベースにして工程管理を行うより,色々な値をベースにして行うほうが,経済的により有利である。その理由は次のようである。すなわち,測定値のほうが,ある現象が現われた回数の値よりも,両者の数が同じならより多くの情報を含んでいることから,同程度の工程上の管理を少ない測定値でできるからである が, しかし,その有利な点から,いくらか差し引かなくてはならないのは,測定したり,測定値を使い計算するには,対象物を良あるいは不良と単に分類するよりも, もっと時間を浪費する(そして,さらに費用がかかる)可能性があるということである。

ある工程を色々な測定値を基準にして管理するときには,その平均と変動性の両方を管理しなければならない。すなわち,X―管理図は,平均値を管理するのに最も幅広く用いられているテクニックであるX―管理図の考えは,サンプル平均xが正規分布をし,そのx自身が工程平均μに等しい平均をもち,σ を工程標準偏差とすれば,σ更=σ /待Tなる標準偏差(あるいは標準誤差)をもつことに基づいている。

工程(からの製品の)測定値が正規分布をなす場合は,確かに更は正規分布する。工程(からの製品の)測定値が,正規分布をなしていない場合は,更は近似的に正規分布をなし,サンプルの大きさnが増加するにつれて,その近似度は増していく。理想的には,もしある工程が管理状態にあり,平均値はU″で標準偏差がσ″と分かっているなら,統計値更を利用した管理図は,中心線をU″ にまた3シグマ管理限界線をU″ ± 3 σx″ (σ X″ =σ′′/A/n)に設定することができる。その方法で“誤まった警告”の確率は,0.0027となる。

実際において工程上の管理がこれから設定される場合には,当然ながらUとσの値は,通常は分かっていない。その工程から1グループ(群)当たりn個の測定対象物を含むK個の群,すなわちサンプル(通常K=20)をとらなくてはならない。それぞれの群において,平均xと範囲Rを計算する その範囲は,最大測定値と最小測定値との差として定義される。それらK個のX値は,X値を出すために平均され,そしてK個のR値は,R値を出すために平均される。このようにするとX―管理図はCLをXとし,UCLとLCLを次のように定められる。


ただし,このA2は,図表8.3.3から群の大きさnによって決められた値である。積値A2Rは,3σ 更の推定値として使うこともできるのだが,この方法は計算が厄介である。


今ここで計算された限界線は,試行管理限界線である。そして次の段階は,その管理図上に正しい順序で,K個の値をプロットすることである。ここで,工程変動の管理は,工程平均の管理と同等に重要であることを強調しておく必要がある であるから,R―管理図は,x―管理図と同時につくられなくてはいけない(次節を参照)。もし,いかなるxのプロット値でも管理限界線外にはずれたら,その原因があるかどうか判断する必要がある。

もし原因がないというなら,さらに多くのデータが必要であることを示している。もし原因があるならば限界線外の更値は除かれ,残ったデータをもとにして更,Rおよび管理限界線は再計算することができる.管理限界線内にすべてのプロット点が含まれているなら,そのプロット点がランダム列をなしているかどうか判断することが必要である。

このことは,プロットのパターンを見て調べることでおおまかにできるし,また連の検定を使い統計的に行うことができる(13部4章を参照)。以上すべての段階が完了したら,出来上がった試行管理限界線を当分認め,工程平均を管理するのに用いることができる。追加データが増加していくにつれ,当然限界線をさらに修正していくことができる。更―管理図を設計するにあたり,考えなければならない経済的要因についての議論は,Sanigaを参照せよ。

R―管理図
R―管理図の用途は,工程の変動に対しての管理を行うためである。それぞれがn個の単位を含むK個の群(通常K=20)が,その工程より選ばれる.それぞれの群に対して範囲Rが計算され,範囲は,最大計測値と最小計測値の差として定義される。

そこから出てくるK個のR値を平均し,Rを計算する 次いでR―管理図はCLをRにUCLをD4Rに,そしてLCLをD3Rにとり設定される。係数D3およびD4のとる値は,図表8.2.5より群の大きさnに従って決まる。積D4RによりRの上方,標準誤差のほぼ3倍に等しい管理限界線が決まり,そして積D3RによりRの下方, Rの標準誤差のほぼ3倍に当たる管理限界線が決まる。

工程変動のLCLを設定する主な理由としては,製造工程において不注意な検査例とか,重要な改良点を見つけだすためである。

これらの限界線は,試行管理限界線であり,次の段階は,管理図上に正しい順序でK個のR値をプロットすることである。ここで工程平均に対する管理は,工程変動に対する管理と同時に重要であることを強調しておく必要がある。であるから,X―管理図はR一管理図と同時につくりだされなくてはならない(前節を参照)。もし,Rのプロット値で管理限界線外にはずれるようなものが出たら,その原因があるかどうか見きわめなければならない。もし,あるならば,限界線外のRの値は除かれ,Rと管理限界線は,残りのデータをもとにして再計算することができる。管理限界線内にすべてのプロット点が入る場合には,それらのプロットがランダムな連鎖となっているかどうか見きわめなければならない。

このことは,プロットのパターンを見て調べてもおおまかにわかるが,連の検定により統計的に行うことができる(13部4章を参照)。

以上のすべての段階が完了した後に,その試行管理限界線を暫定的に認め,その管理図は工程変動を管理するために使用することができる。追加データが集積するに従って,当然,管理限界線はさらに修正することができる。R―管理図をつくるにあたり,考慮しなければならない経済的要因についての議論は,Sanigaを見よ。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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