コラム・特集

3.6 工程管理――不良率

IEハンドブック

第8部 品質保証

第3章 品質管理

3.6 工程管理――不良率

P一管理図
統計値Pは,1サンプル中に含まれる不良品の割合であり,P―管理図は,生産工程の不良率P′ をコントロールするために,終始Pの値を求めていくものである。

Pの標本分布は,σ p=√p′ (1-P′ )/nなる標準誤差をもつ。ただし,このηはサンプル(あるいは群)の大きさである。実際,p′ の値はほとんどわからず,たいていは,沢山のサンプルから計算されるPの平均値である統計量Pで推定される。

したがって標準誤差σpは,Sp=√p(1-p)/π で推定される。管理図を製作するにあたって,それぞれの群当たりn個の製品を持つK個の群(通常K=20)が選び出され,その属性が調べられる。P値および,Sp値が計算され,そして,管理図上の中心線はPと定められるが,P用の管理限界線内にPの分布99.73%含まれる必要は,必ずしもない というのは,Pは正規分布をとらないからである(13部5章を参照)。

しかしながら,もしその工程が不良率に関して管理状態にあるなら,計算されたPの値が管理限界線の外の値をとるということはほとんどあり得ないと言ってもよい。不良率の管理のために下方管理限界線をもうける主な理由は,製造工程での不注意な検査とか,あるいは工程上の大きな改良が起こっていることを見つけ出すためである。

次の段階は,正しい順序で管理図上に,K個のすべてのPの値をプロットすることである。もしいかなるPの値でも,管理限界線外に,はずれるならば,それがはっきりした原因によって説明されうるかどうかを決定することが必要である。もし,はっきりした原因によるものなら,そのPの値は除かれ,残った群をもとにして,PとSpは計算され,そして新しい試行管理限界線が設置される。もし,はっきりした原因がないなら,Kが小さすぎており,追カロデータが必要であるといえる。もし,すべてのPのプロットが管理限界内にあるなら,それらの値のランダム性をチェックする.そのことは,管理上のパターンを見て検査することにより,おおまかにできるし,また連の検定によって統計的にすることができる(13部5章を参照).もし,ランダム性が現われていないなら,その原因を見つけて除き,それに応じて管理限界線を修正しなければならない。

以上の段階が完了した後で,そして,平均割合Pが満足のいくものであるとしたなら,その試行管理限界線は一応認めることができるし,その管理図は,その工程を管理するために用いることが可能となる。

一定時間ごとに,n個の製品からなる一群が検査され,Pの値が計算され,そして管理図にプロットされる。もしPのプロットが管理限界線外にはずれるなら,あるいは管理限界線に近づいている“傾向”があるなら,変動を起こす何らかの原因が発生したと考えられて,調査し,適切なる修正処置をとらなくてはならない。

プロットが管理限界線内にあり,その連続する値がランダムに現われている限り,
工程は統計的管理状態にあると考えられる。さらに多くのデータが蓄積されるにつれて,当然,管理限界線を,さらに修正していくことができる.サンプリングの度数は,サンプリングと検査の1単位当たりの費用や“間違った警告”(タイプIの誤り)に伴うコストとか,あるいは,工程に問題がある状態で運転しつづけるコスト(タイプⅡの誤り)によって決定される。

標準化P一管理図
サンプル,あるいは群の大きさが変わるとき,サンプルの不良率Pを下記のように標準化することによって管理限界線を一定にすることができる。

P*=(P一P″ )/σ p″

ただし,この式では
P*=標準化されたサンプル不良率
P″ =指定された,あるいは“目標となる”工程不良率

σp′=√P″ (1-P″ )/n

この方法の真の効果は,プロットされている変数がSD(標準偏差)を単位として表現されることである。標準化P―管理図は, 0点にその中心線をもち,上部および下部管理限界線は,それぞれ+3と-3である。

np一管理図
群の大きさが一定の状態のときには, np―管理図を使用するのが適当であろう 管理図にプロットされる統計量npは,単に群中に見つけられた不良品数である。

それゆえP一管理図の手順での不良品をnで割るというような計算ステップは避けることができる 中心線(CL)や上方管理限界線(UCL)および下方管理限界線(LCL)は,以下のように計算される。

CL=np
UCL=np+3 Snp
LCL=np-3 Snp

ただし,Snp=√np(1-P)

現場の人達は,P一管理図と比較して,np―管理図のほうを,よりたやすく理解するようにしばしば思われる。しかし,np― 管理図は限られたところでしか使えないので,どうしても両者を利用しなくてはならなくなり,かえって複雑になってしまう。

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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