コラム・特集

3.5 工程能力

IEハンドブック

第8部 品質保証

第3章 品質管理

3.5 工程能力

工程能力とは, 1つの工程によって作り出される製品についての,その工程固有の再生産能力として測定されたものである。これは,個々の製造工程についていうことであり,統計的管理状態から生じる製品が,どのくらい均質なものかをいうものである。工程は,製品について測定される値のすべての変動が偶然によると考えられるとき,統計的管理下のもとにあるという。言いかえるなら,統計的管理とは(これが原因であるという,はっきりとした)見逃せない原因がない状態において存在する管理のことである。
工程能力を勉強する理由は,
(1)ある工程で,満足のいく製品が生産されるかどうか予測する。
(2)工程が,満足のいく製品を生産できない場合,その問題点を診断する.ことが出来なくてはならないからである.

工程能力の測定
Iri能力はいくつかの方法で測定することができるが,最も普及しているテクニックは,管理図を利用するやり方である。このアプローチでは,連続して生産された5つの製品からなる小グループを少なくとも10グループ(群)選ぶ.適切なる測定が,それぞれの製品になされ,そして,おのおののグループでは,平均アと範囲Rの値が計算され,それらの値は,XとRの管理図(この章で後にのべられている)上にプロットされる。もし統計的管理状態にあるようなら,工程能力は6倍の標準偏差として計算される。そして,その6倍の標準偏差値は,6R/d2として,平均範囲Rから推定することができる。d2の値は,それぞれのグループ中の観測数πの関数である。図表8.3.1を見よ。

もし統計的管理状態にないならば,変動の原因を明らかにし,取り除いた後に,その工程能力を再び測定すべきである。もし,たいしたものでなければ,無視されることが多い。

工程能力分析
ひとたび工程能力が測定されたなら.それは製品許容差へと結びつける必要がある。この手法は「工程能力分析」として知られている.そのような解析の1つの用い方は,予見にある。工程Xは,要求されている許容差を満足させる製品を生産できるであろうか。

基本となるテクニックは,計算された6SD値を許容差と比較することである。もしこの値が許容差より小さいなら,その工程は仕様を満足させることができる。もし大きいなら,その工程は,満足させることができない(図表8.3.2を参照)


工程能力分析のもう1つの用い方は,診断にある。工程Xが許容差の要求を満足する製品を生産できないのはなぜか.原因となる可能性のあるものは多数ある.たとえば,不適切なセットアップとか,誤った測定法とか,製品の混入,あるいは,不意な変動原因,またははっきりとした原因があってである。

最も広範に用いられている分析のテクニックの詳細なる議論は,Juran等を参照せよ.加えて,実験計画は,大変に価値あるテクニックである(13部4章を参照せよ)。一般的な統計的考え方は,検定の結果に関する考察とともにJuranとGrynaの中で論ぜられている。

 本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

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