コラム・特集

3.1 仕様書,許容差および公差

IEハンドブック

第8部 品質保証

第3章 品質管理

3.1 仕様書,許容差および公差

仕様書
仕様書は,作業者に手順の指示を与えるものである。この指示は,明確かつ正確にしておくべきであるが,そうでない場合,または矛盾が生じる場合,たとえば,過去の現場でのやり方と矛盾するような場合には,その解決は,作業者のレベルでなく,もっと上位のレベルで図られなければならない。仕様書はテストやインスペクション標準をも与えるものであり,ここでも明確さと正確さは必須であり,それらが欠けていると検査部門は“空白部分をうめてしまう”,すなわち,自分達で勝手に決めてしまいがちである。その結果,前もって予期しうることだが,製品の信頼性や安全性および使用時の合致性に問題をおこすことが往々にしてある。前もって予期できる。

許容差
許容差とは,規定された,あるいは明記された仕様からの,許容することができるずれの最大値である。一般に,他の部品と一緒に組み込まれていく部品では,その許容差を小さく保持しなければならない。そして許容差が小さければ小さいほど,組立て作業はより容易となる。このことは,部品の互換性が要求される大量生産状態において,とくに重要視すべきことである。しかしながら,小さい許容差の結果,組立てコストは減るが,個々の部品の製造コストは増す.それゆえ,費用合計を最小限にする目的のもとに, 2つのタイプの費用のバランスをとらなければならない。いいかえるなら,許容差の緩和により,全体での組立てコストを節約するために,部品によっては余分に手間をかけて,うまくはまるものを選び,組み立てに使うという費用を払ったほうが経済的に見合うということが,往々にしてあり得る。

 

公 差
公差とは,組み合う部品間間隔として仕様上許される最小値として定義される。

Example8.3.1
あるピストンの直径仕様が,3.5±0.002インチ(88.900mm± 0.05mm)であり,直径仕様が, 3.505± 0.002インチ(89.027mm± 0.51mm)なるスリーブ管に組み入れられるとするなら,公差は許容される最小のスリーブ管と,許される最大のピストンとの差となる:公差=3.503インチ(88.974mm)-3.502インチ(88.951mm)=0.001インチ(0.025mm)

設計レビューチーム
歴史的にみて,生産設計部門は製品仕様を決めるのに大きな影響力を持っている。ますます複雑さを増す製品の開発や,それらの製造に必要な資本が益々増大していくなかで,仕様書の決定に伴う責任を拡大していくことが必要となってきた。設計レビューチームの設立は,この要求に対する1つの一般的な対応である。生産設計からの代表者に加え,設計レビューチームは,以下の人々から構成される。しかしながら,これらの人々だけに限る必要はない。

市場調査スペシャリストーー顧客は,どんな仕様を本当に望んでいるか

製造スペシャリストーー仕様の決定結果が,製造コストにどのような影響をもつか

信頼性のエンジニアーー仕様の決定結果から製品の信頼性および保全性にどのような影響をもつか

製品安全性のスペシャリスト/法律家――仕様が,安全性や生産信頼性にどのような影響を与えるか

品質管理のエンジニアーー仕様が,検査や品質管理にどのような影響を与えるか

本コラムは絶版となっている「IEハンドブック(サルベンティ編・日本能率協会訳・1986)」をアーカイブとして掲載するものです。このハンドブックの各章は多くの事例と理論を通して生産性向上に対するアイデアを提供するべく専門家によって執筆されています。基盤をなしているIEの考え方・原則はインダストリアル・エンジニアリングにかかわるすべてのひとに有用でしょう。

関連記事一覧

2019ものづくり公開セミナーガイド

B2Bデジタルマーケティングセミナー

ものづくり人材育成ソリューション

マーケティング分野オンラインセミナー